SUMMARY
要点をまとめると
01停電対策は、電池式のあかりとモバイルバッテリー、ラジオ、調理のいらない食品をそろえることから始めます。
02停電したら足元を照らし、近所も消えているか確かめ、家電のプラグを抜きます。
03電気が戻るときは器具の傷みとにおいに注意し、通電火災を防ぎましょう(2026年11月1日時点)。
TO DO
今すぐやること
- 1枕元とリビングに電池式のあかりを置く
- 2モバイルバッテリーを充電しておく
- 3分電盤の場所を家族で確かめる
- 4カセットコンロとボンベの製造年を見る
- 5建物の水道が停電で止まるか、管理会社に聞く
そもそも通電火災とは?
止まっていた電気が戻ったときに起きる火災です。
たとえるならスイッチが入ったままのヒーターが、留守の間に動き出すようなものです。そばに燃える物があると危険です。
- 1揺れや水で傷む暖房器具が倒れたり、配線が傷んだりします。
- 2電気が戻る傷んだ器具や配線に、また電気が流れます。
- 3火が出る燃えやすい物に触れたり、ショートしたりして火が出ます。
消防庁「令和5年版 消防白書」の説明をやさしくしました。
この記事をスライドで理解する(6枚)
1 / 6停電対策は何をする?家の備えと停電中・復旧時の行動
うちだけ消えたのか、どう見分けますか?
窓の外を見て、近所の様子を確かめましょう。近所も消えていれば電力会社の停電情報を、家だけならブレーカーを見ます。
そなえ停電したら、まず何をすればいいですか?
電気が戻るとき、なぜ火事に注意するのですか?
住まいや家族によって、どんな違いがありますか?
まず、これだけ。
- 1枕元とリビングに電池式のあかりを置く
- 2モバイルバッテリーを充電しておく
- 3分電盤の場所を家族で確かめる
- 4カセットコンロとボンベの製造年を見る
夜に突然、家の電気が消えると、それだけで不安になります。冷蔵庫の中身は大丈夫か。スマホの電池はもつのか。いつ戻るのか。台風や地震のときは、停電が長く続くこともあります。ただ、普段から少し用意しておくと、できることはかなりあります。
この記事は、東京電力グループ、消防庁、NITE(製品評価技術基盤機構)、首相官邸、家電メーカーなどの公式資料を2026年11月1日時点で確かめてまとめました。東京電力の案内は東京電力の地域向けです。ほかの地域の方は、地域の電力会社の案内もあわせて確かめてください。
01この記事でわかること(3行まとめ)
- 普段は、あかり、電源、情報、食事を用意します。買う前に、家にある物と電池を確かめましょう。
- 停電したら、範囲を確かめます。家だけならブレーカーを見て、近所も消えていれば電力会社の情報を確かめます。
- 電気が戻るときは火事に注意します。プラグを抜き、器具の傷みとにおいを確かめます。
02停電に備えて、何をしておけばいいですか?
- 困ることを順番に考えます。下の表で、家にある物と見比べましょう。
- 買う前に電池を確かめます。懐中電灯はあっても、電池が切れていることがあります。
| 困ること | 用意する物 |
|---|---|
| 暗くて動けない | 懐中電灯、ヘッドライト、ランタン、予備電池 |
| 情報が入らない | 携帯ラジオ(手動で充電できる物が便利) |
| スマホの電気が切れる | モバイルバッテリー、充電ケーブル |
| 固定電話が使えない | 携帯電話など別の連絡手段 |
| 調理ができない | カセットコンロ、ボンベ、調理のいらない食品 |
| 暑い、寒い | 毛布、使い捨てカイロ、うちわ、水分 |
固定電話について、東京電力は、停電のときは固定電話やIP電話は加入電話の一部を除いて基本的に使えなくなるとしています。家族の連絡方法も、一緒に決めておきましょう。
03あかりはどこに、いくつ置けばいいですか?
部屋ごとに役割を分けると考えやすくなります。次の表は、公式の案内をもとにこのサイトで整理した例です。
| 場所 | 向いている物 | 理由 |
|---|---|---|
| 寝室の枕元 | 懐中電灯かヘッドライト | 夜の停電で最初に手に取る |
| リビング | ランタン | 部屋全体を照らせる |
| トイレ | ランタンかヘッドライト | 窓がない場所は昼でも暗い |
| 玄関 | 懐中電灯 | 外に出るときに使う |
首相官邸は、懐中電灯、スリッパ、ホイッスルを手の届く場所に置くよう案内しています。千葉市は、懐中電灯はできれば1人に1つとしています。4人家族なら、1人1つで4つ、リビングとトイレの共用を足して6つが1つの例です。消防庁は、夜間の避難に備えて足下灯や懐中電灯を用意し、寝室からの避難路を確かめるよう挙げています。
ろうそくは火災に注意が必要です。東京電力パワーグリッドも、照明代わりに使うときは火災に注意するよう呼びかけています。電池式のあかりを先に使いましょう。
04停電したら、まず何をすればいいですか?
うちだけ消えたのか、どう見分けますか?
窓の外を見て、近所の様子を確かめましょう。近所も消えていれば電力会社の停電情報を、家だけならブレーカーを見ます。
そなえ- あかりをつけて、足元を確かめる。東京電力パワーグリッドは、まず落ち着いて近隣の状況を確かめるよう案内しています。
- 近所も消えているか確かめる。窓の外を見ます。
- 電気器具のスイッチを切り、プラグを抜く。消防庁が呼びかけています。
- 避難で家を離れるなら、ブレーカーを落とす。これも消防庁の案内です。
ガスを使っていたら、火も消しましょう。NITEは、地震のときは揺れが収まってからガス機器の火を消し、避難するときに余裕があればガスの元栓を閉めるよう案内しています。東京電力パワーグリッドは、電気だけでなくガスや水道も止まる可能性があるとしています。
近所も消えているときは?
地域全体の停電と考えられます。東京電力の案内では、台風や落雷、事故で設備が故障して停電することがあるとしています。サイトの停電情報で、お住まいの住所を確かめます。載っていないときは電力会社に連絡します。切れて垂れ下がっている電線には、手を触れないでください。
自分の家だけ消えているときは?
ブレーカーを確かめます。東京電力の手順は次のとおりです。分電盤は、家の電気を部屋ごとに分ける箱です。場所を家族で確かめておきましょう。
- アンペアブレーカーのつまみが「入」か確かめる。スマートメーターで契約アンペアを設定している家には、付いていません。
- 配線用遮断器のつまみをすべて「切」にする。
- 漏電遮断器のつまみを「入」にする。
- 配線用遮断器のつまみを1つずつ「入」にする。
- ある回路を入れたときに漏電遮断器が切れたら、その回路に漏電の可能性がある。その回路以外を入れる。
夜や踏み台を使うときは、転ばないよう気をつけましょう。少しでも不安なとき、ブレーカーから焦げくさいにおいがするときは、操作せず電力会社に連絡します。家の一部だけ消えているときは、使っている器具の故障や電気の使い過ぎが考えられるので、器具をコンセントから外して配線用遮断器を入れます。
05冷蔵庫や炊飯器は、どうすればいいですか?
日立の案内によると、冷蔵庫は次の扱いが基本です。機種によって違うので、説明書も確かめてください。
- 停電中はドアの開け閉めを控える。
- 凍った保冷剤や袋に入れた氷を、冷凍食品のまわりに置く。
- 停電の直前や停電中に、食品や凍っていない保冷剤を新しく入れない。庫内の温度がかえって上がります。
- 電気が戻ると自動で動き出す。設定が変わる機種もあるので確かめる。
電気が長く止まったあとの食品は、迷ったら無理に食べないようにしましょう。農林水産省は、災害時はまず冷蔵庫の食品を食べ、次にストックの食品を食べる流れを示しています。
ほかの家電も、同じ案内に説明があります。
- 炊飯器:日立の案内では、炊飯中の停電は再通電後に炊飯を続け、30分以上止まると炊飯をやめます。東京電力は、タイマーの予約が消える場合があるとしています。機種で違うので、戻ったら設定を確かめます。
- 洗濯機:日立の案内では、運転中に停電すると止まり、ふたがロックされた場合は停電中に解除できないとされています。
- IHクッキングヒーター:停電すると電源が切れます。止まった直後はプレートが熱いので、やけどに注意します。
- エコキュート、電気温水器:機種によって時刻の設定が消えます。戻ったらリモコンの時刻を確かめます。
06電気が戻るとき、なぜ火事に注意するのですか?
電気が戻ったら、もう安心ですよね?
戻ったときに傷んだ器具から火が出ることがあります。器具と周りを確かめ、しばらくは煙やにおいに気をつけましょう。
そなえ「通電火災」があるからです。電気が戻ったときに起きる火災のことです。消防庁によると、次のような形で起こります。
- 揺れで倒れた暖房器具が、電気が戻ったあとに、じゅうたんなどの燃えやすい物に触れて火がつく。
- 揺れで傷んだ電気器具や配線が、電気が戻ったときにショートする。
地震だけでなく、大雨で水につかった電気器具でも起こることがあります。消防庁とNITEの案内をもとに、次の点を見ましょう。
- 器具が壊れていないか、近くに燃えやすい物がないかを確かめてから使う。
- 水につかった製品は使わない。つかっていない製品も、異常がないか確かめてから使う。
- 電気が戻ったあとも、しばらくは煙やにおいに気をつける。消防庁は、故障によってしばらくたってから火災になることもあるとしています。
- 異常があれば、すぐにブレーカーを落として消防に連絡する。
東京電力パワーグリッドは、ブレーカーを入れてから器具のプラグを差し込むよう案内しています。アイロンやドライヤーのように熱を出す器具は、火災を防ぐためプラグを抜いておきます。日立の案内では、モーターを使う家電も一斉に動き出すとブレーカーが落ちるなどの影響が考えられるとしています。
感震ブレーカーとは何ですか?
大きな揺れを感じると電気を自動で止める装置です。揺れた直後はブレーカーを落とす余裕がないこともあるので、消防庁はこうした機器の使用が有効だとしています。分電盤タイプでは、電気を止めるまでの時間を設定できる物があり、夜の避難に役立つとされています。
07台風などで停電しそうなときは、前もって何をすればいいですか?
- スマホとモバイルバッテリーを充電する。
- 懐中電灯とラジオの電池を確かめる。
- 保冷剤を早めに凍らせておく。停電の直前に凍っていない保冷剤を足すと逆効果です(日立の案内)。
- パソコンは電源を切り、プラグを抜く。入力中のデータが消えたり、故障したりする場合があります(東京電力パワーグリッド)。
- 炊飯器や録画の予約を見直す。
- 外出するときは、分電盤のブレーカーを切っておくと、消し忘れの事故を防げます。
- エレベーターの利用に注意する。予定された停電では、閉じこめられる可能性があるので利用を控えるよう案内されています。
東京電力の注意点の一部は計画停電の案内にありますが、備えとしても参考になります。寒冷地では、水道管や給湯器の配管が凍結する場合があるともされています。
08住まいや家族によって、どんな違いがありますか?
マンションの場合
東京電力パワーグリッドによると、エレベーター、自動ドア、オートロック、立体駐車場が動かなくなります。さいたま市は、増圧ポンプや受水槽を使う高層住宅などでは、停電すると水が出なくなることがあると案内しています。建物の仕組みを管理会社に聞いておきましょう。水が止まる建物なら、1人1日3リットルの水を早めに用意します。4人家族の3日分は36リットルです。
オール電化の場合
IHクッキングヒーターは使えません。カセットコンロが調理の頼りになります。ボンベの目安は農林水産省によると1人1週間で約6本です。4人家族なら24本です。
家で医療機器を使っている場合
早めに医療機関に相談しましょう。東京電力パワーグリッドは、人工呼吸器などを使い、代わりの電源がない方に、小型発電機などを可能な限り貸し出すと案内しています。在宅医療機器を使う方が事前に登録すると、停電の状況を個別に知らせる仕組みも案内されています。ほかの地域の方は、地域の電力会社に確かめてください。消防庁も、在宅用の医療機器には停電に対処できるバッテリーなどを備えるよう挙げています。
魚を飼っている場合
東京電力パワーグリッドは、電池式のエアーポンプを用意するよう案内しています。熱帯魚は水温にも注意します。
09スマホの電気はどうしますか?ポータブル電源は必要ですか?
ポータブル電源は全員に必要ですか?
全員に必要とは限りません。まずあかりとモバイルバッテリーを用意して、動かしたい家電がある家は消費電力を調べて考えましょう。
そなえ多くの家庭は、まずモバイルバッテリーで始められます。普段から使って、充電が残っている状態を保ちましょう。ポータブル電源は、スマホ以外の家電も動かしたい家が考える物です。必要かどうかは計算で見当がつきます。
メーカーの公式の解説では、次の式が案内されています。変換のときに電気が減るので、容量のすべては使えないためです。
容量(Wh)×0.8÷使う家電の消費電力(W)=使える時間の目安
| 電源の容量 | 使う機器の消費電力 | 計算 | 時間の目安 |
|---|---|---|---|
| 300Wh | 30W | 300×0.8÷30 | 約8時間 |
| 500Wh | 50W | 500×0.8÷50 | 約8時間 |
| 1,000Wh | 100W | 1,000×0.8÷100 | 約8時間 |
数字は計算の例です。使いたい家電の消費電力を、本体の表示や説明書で先に調べましょう。1台の電源で家族の機器を同時に使うなら、消費電力を足して計算します。例えば30Wの機器と20Wの機器なら50Wです。
充電式の電池は扱いにも気をつけます。NITEは次の点を挙げています。
- 連絡先の確かなメーカーや販売店から買う。リコールの対象でないか確かめる。
- 高温の場所に放置しない。強い衝撃を与えない。
- 異常を感じたら、充電や使用をやめる。
- 万が一発火したら、大量の水で消火し、119番に通報する。
発電機は家の中で使えますか?
使えません。NITEによると、排ガスには一酸化炭素が含まれ、屋内での使用で亡くなる事故も報告されています。車の中やテントの中も、屋内と同じかそれ以上に危険です。窓や出入口から離れた、風通しの良い屋外で使います。
10暑いときと寒いときは、どうすればいいですか?
- 夏:エアコンや扇風機が使えません。東京電力パワーグリッドは熱中症に注意するよう呼びかけています。水分を多めに用意し、涼しい場所へ移ることも考えましょう。
- 冬:毛布やカイロを用意します。石油ストーブなどを使うときは定期的に換気します。練炭や炭を室内で使うことは、一酸化炭素中毒のおそれがあるので極力避けます。
信号が消えること、防犯システムやガス漏れ警報機が動かない場合があることも、知っておきましょう。
11確かめる先・相談先
- 停電の状況:地域の電力会社の停電情報のページ
- ブレーカーを見ても戻らないとき:地域の電力会社の窓口
- 煙やにおいなどの異常:ブレーカーを落として消防に連絡
- 在宅の医療機器:かかりつけの医療機関、地域の電力会社
- 建物の設備:管理会社、管理組合
- 製品のリコール:NITEや消費者庁、メーカーの案内
よくある質問
停電したら、冷蔵庫のプラグも抜くべきですか?
機種の説明書に従ってください。日立の案内では、冷蔵庫は電気が戻ると自動で動き出すとされています。ドアの開け閉めを控えることが大切です。
ブレーカーはいつ落とせばいいですか?
停電中に避難などで家を離れるときです。消防庁が案内しています。戻ってから、器具の安全を確かめて使いましょう。
ポータブル電源は全員に必要ですか?
必要とは限りません。まず懐中電灯とモバイルバッテリーを用意して、医療機器など動かしたい家電がある家は消費電力を調べて検討します。
ろうそくを使ってもいいですか?
使うときは火災に注意が必要です。あかりは、まず懐中電灯やランタンなど電池式を使いましょう。地震のあとは特に気をつけてください。
停電はいつ直るか、どこで分かりますか?
地域の電力会社の停電情報のページで確かめます。東京電力の場合、住所の停電情報を確かめ、載っていないときは連絡するよう案内しています。
用意するなら
PR「楽天で見る」は楽天アフィリエイトの広告リンクです。購入されると当サイトに報酬が入ります。商品を実際に試して比べたものではありません。
次にやること
出典(15件)
- 東京電力パワーグリッド「停電時の注意点について」
- 東京電力パワーグリッド「急に電気が消えたとき」
- 東京電力ホールディングス「電気がつかないときは?」
- 消防庁「令和5年版 消防白書」(地震火災への備え)
- 製品評価技術基盤機構(NITE)「事例から学ぶ、地震後の電気・ガスによる二次被害」
- 製品評価技術基盤機構(NITE)「停電時の発電機によるCO中毒や、復旧後の通電火災に注意!」
- 製品評価技術基盤機構(NITE)「リチウムイオン電池搭載製品の火災事故を防ぐ3つのポイント」
- 日立の家電品「停電時における主な家電製品のお取り扱いについて」
- 首相官邸「防災の手引き:災害の備え」
- 千葉市「わが家の危機管理マニュアル:非常持ち出し品と備蓄品」
- さいたま市「飲料水備蓄のお願い」
- 農林水産省「災害時に備えた食品ストックガイド(7)熱源を確保しよう」
- 農林水産省「災害時に備えた食品ストックガイド(9)備蓄食品の収納テクニック」
- EcoFlow公式ブログ「ポータブル電源は何時間使える?計算する方法や注意点を解説」
- Jackery公式「ポータブル電源で電化製品を使える時間は?計算方法を分かりやすく解説」
公的機関などの資料をもとに編集部がまとめました。専門家の監修は受けていません。

停電・電源
停電・電源
防災グッズ