SUMMARY
要点をまとめると
01阿蘇山の噴火警戒レベルは9月1日に3から2へ下がり、10月30日の解説情報でも続いています。
02中岳第一火口から概ね1kmの範囲では大きな噴石と火砕流に警戒が必要で、火山ガスにも注意が要ります。
03行き先の規制は阿蘇市と南阿蘇村の案内で確かめてください(2026年11月1日時点)
TO DO
今すぐやること
- 1気象庁の阿蘇山のページで、今のレベルを見る
- 2中岳第一火口から概ね1kmの範囲に入らない
- 3道路や火口見学の規制を阿蘇市・南阿蘇村に確かめる
- 4火山ガスの案内を現地で確かめる
- 5風下に行く日は降灰予報を見る
そもそも噴火警戒レベルとは?
火山の状況に応じて、警戒が必要な範囲ととるべき対応を5段階で示すものです。
たとえるなら火山のまわりに引く線の位置を、様子に合わせて引き直すようなものです。
- 1揺れやガスを見張る観測と現地調査で確かめる
- 2範囲とレベルを出す噴火警報などに付けて発表する
- 3市村が対応する立ち入りの規制などを決めて知らせる
気象庁「噴火警戒レベルの説明」をやさしく言い換えています。
この記事をスライドで理解する(6枚)
1 / 6阿蘇山の噴火警戒レベルは3から2へ 下がった理由と火山ガス
下がったなら、もう落ち着いたの?
概ね2kmまで影響する噴火の可能性が低くなったという判断です。火山活動は高まった状態と説明されています。
そなえ阿蘇山の噴火警戒レベルは今いくつ?
今の阿蘇山はどんな様子?
阿蘇へ出かける前に確認すること
まず、これだけ。
- 1気象庁の阿蘇山のページで、今のレベルを見る
- 2中岳第一火口から概ね1kmの範囲に入らない
- 3道路や火口見学の規制を阿蘇市・南阿蘇村に確かめる
- 4火山ガスの案内を現地で確かめる
阿蘇山の噴火警戒レベルが上がったり下がったりしたと聞くと、阿蘇へ旅行してもいいのか、近くの暮らしに影響はあるのか、気になると思います。火山ガスという言葉に不安を感じる人もいるでしょう。
そこで、気象庁の報道発表、噴火警報、解説情報、阿蘇山のリーフレットを2026年11月1日時点で確かめました。これまでの流れと、出かける前に見ておくことを説明します。
01この記事でわかること(3行まとめ)
- 阿蘇山の噴火警戒レベルは8月14日に2から3へ上がり、9月1日に3から2へ下がりました。
- 今の警戒範囲は中岳第一火口から概ね1kmです。大きな噴石と火砕流に警戒し、火山ガスにも注意します。
- 10月28日の火山ガスの放出量は1日あたり2700トンと多く、火山活動の変化も続いています。
02阿蘇山の噴火警戒レベルは今いくつ?
今はレベル2(火口周辺規制)です。福岡管区気象台が2026年9月1日16時に発表し、10月30日16時の解説情報でも継続が示されています。
気象庁の一覧では、最近1か月に阿蘇山の噴火速報は出ていません。噴火速報は、噴火の発生を登山者や周辺の住民にいち早く知らせ、身を守る行動をとってもらうための情報です。これまでの流れは次のとおりです。
| 日付 | できごと | 警戒が必要な範囲 |
|---|---|---|
| 8月14日15時45分 | レベルを2から3(入山規制)へ引き上げ | 中岳第一火口から概ね2km |
| 9月1日16時 | レベルを3から2(火口周辺規制)へ引き下げ | 中岳第一火口から概ね1km |
| 10月30日16時 | 解説情報でレベル2の継続 | 中岳第一火口から概ね1km |
038月にレベル3へ上がったのはなぜ?
8月14日の発表では、次の2つの変化が挙げられています。
- 12日19時ごろから火山性微動の振幅が大きくなり、14日15時過ぎから中岳西山腹観測点で1分間の平均振幅が毎秒4マイクロメートルを超えた
- 14日の現地調査で、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量が1日あたり2000トンを超えて急に増えていた(前回6日は1200トン)
火山性微動とは、火山性地震より長く続く揺れです。振幅は揺れの大きさを指します。二酸化硫黄は、火山から出るガスの1つです。
049月にレベル2へ下がったのはなぜ?
下がったなら、もう落ち着いたの?
概ね2kmまで影響する噴火の可能性が低くなったという判断です。火山活動は高まった状態と説明されています。
そなえその後、火山ガスの放出量に急な増減はなく、火山性微動の振幅も概ね小さい状態が続きました。そこで気象庁は、中岳第一火口から1kmを超えて概ね2kmの範囲に影響する噴火の可能性は低くなったと判断しました。
一方で、火山ガスの放出量は多い状態で、火山活動は高まっているとも説明しています。中岳第一火口から概ね1kmの範囲に影響する噴火の可能性は続いています。
9月1日の噴火警報では、対象の市町村も変わりました。火口周辺で入山規制などの警戒をするのは熊本県の阿蘇市と南阿蘇村です。高森町は「入山規制などの特段の警戒が必要なくなった」とされました。
05今の阿蘇山はどんな様子?
10月30日の解説情報は、10月23日から30日15時までの様子を次のように伝えています。
- 中岳第一火口では、白い噴煙が最高で火口のふちから700mまで上がった
- 火山性微動の振幅は小さい状態で推移している
- 28日の現地調査で、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は1日あたり2700トン(10月27日は1500トン)と多い状態だった
- 29日の現地調査で、火口の底に灰色の湯だまりを確認した。中で高さ数m程度の小規模な土砂の噴出があった
湯だまりは、火口の底にできた湯のたまりのことです。また、地面の動きを測るGNSS観測では、5月ごろから、地下深くのマグマだまりにマグマがたまることを示す伸びが見られましたが、8月ごろから止まっています。
気象庁は、放出量が多く、火山活動に変化が見られることから、概ね1kmの範囲に影響する噴火の可能性があるとしています。落ち着いた点と変化している点の両方を見てください。
06どこまで近づいてはいけないの?
気象庁は、中岳第一火口から概ね1kmの範囲で、次のものに警戒するよう呼びかけています。地元自治体などの指示に従い、危険な地域には入らないでください。
- 弾道を描いて飛ぶ大きな噴石(概ね20〜30cm以上で、風の影響をほとんど受けない岩石)
- 火砕流(砕けた固い噴出物と火山ガスなどが混ざり、地表に沿って流れる現象。速さは時速百km以上、温度は数百℃に達することもある)
風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠くまで流されて降るおそれがあります。火山ガスにも注意が呼びかけられています。
リーフレット(令和6年3月)に示された規制の例は次のとおりです。具体的な範囲は地域防災計画などで決まっているので、市村へ確かめてください。
| レベル | 規制の例 |
|---|---|
| 3(入山規制) | 火口から概ね2km以内は立入禁止。範囲は活動の状況で居住地域付近(概ね4km)まで変わる。中岳・高岳などへの登山道は立入禁止 |
| 2(火口周辺規制) | 火口から概ね1km以内は立入禁止。阿蘇山公園道路は利用できない |
| 1(活火山であることに留意) | 火口の中などは常に立入禁止 |
07火山ガスと噴火警戒レベルは別のものなの?
レベルが低ければガスは心配ない?
そうとは言えません。リーフレットに、レベルと火山ガスの規制は異なると書かれています。現地の案内も見ましょう。
そなえリーフレットには「噴火警戒レベルは、火山ガスに関する規制とは異なる」と書かれています。つまり、レベルの数字だけでは火山ガスの注意点は分かりません。
火山ガスは、火山活動で地表に出てくる気体です。水、二酸化硫黄、硫化水素、二酸化炭素などが主な成分です。気象庁の用語集によると、二酸化硫黄は無色で刺激臭のある有毒な気体で、低い濃度でも呼吸器を刺激し、せきや、気管支ぜんそく、気管支炎などを起こすことがあります。硫化水素は無色で腐った卵のようなにおいがあり、高い濃度では呼吸まひなどを起こします。
今の発表でも、噴石などの範囲とは別に「火山ガスに注意してください」と呼びかけています。火口の近くへ行く予定がある人は、レベルに加えて、現地の案内や市村の情報を見ましょう。体調に不安がある人は、事前にかかりつけの医師にも相談してください。
08住民や観光で訪れる人はふだんどおりでいいの?
旅行はやめたほうがいい?
今の警戒範囲は火口の周辺です。行き先の規制を確かめ、市村の案内に従って決めてください。
そなえリーフレットでは、レベル2のときの住民の行動は「通常の生活」、登山者は「火口周辺への立入規制等」とされています。今の警戒範囲は火口の周辺です。
ただし、これは一般的な目安です。施設や道路が開いているかどうかは日によって変わります。市村から案内が出たときは、その案内を優先してください。
09阿蘇へ出かける前に確認すること
- 気象庁の「火山登山者向けの情報提供ページ」で今のレベルを見る
- 行き先が中岳第一火口から概ね1kmの範囲に入らないかを見る
- 道路や火口見学の規制を阿蘇市と南阿蘇村の案内で見る
- 風下へ行く日は降灰予報を見る
10火山灰が降ってきそうなときはどうする?
気象庁の降灰予報は3種類あります。
- 定時:噴火警報を発表中の火山で、生活に影響する降灰が予想される場合に、もし噴火したらどこに降るかを3時間ごとに18時間先まで示す
- 速報:噴火から5〜10分程度で出し、1時間以内の降灰の量や範囲を示す
- 詳細:噴火から20〜30分程度で出し、6時間先までを1時間ごとに示す
降灰の量は「多量」「やや多量」「少量」の3段階です。「やや多量」以上は、防災の対応が必要になる量とされています。火山灰は直径2mm未満の細かい粒で、風で火口から離れた広い範囲に広がります。
内閣府の広報誌に載った気象庁の解説では、鉄道や航空機は降灰が1mm未満でも運休や欠航となる可能性があるとされています。積もったり見通しが悪くなったりして、車の運転が難しくなることもあります。量が多くなると、停電や上水道の水質の低下、農作物や健康への影響も心配されています。阿蘇へ車や飛行機で行く人は、帰りの交通も含めて考えておきましょう。予報には誤差があるので、最新のものを見てください。
11レベルが高くなると何が変わるの?
噴火警戒レベルは、火山のある地元で県や市町村、気象台、消防、専門家などが火山防災協議会を作り、話し合って決めた避難の計画と結びついています。阿蘇山のリーフレットでは、レベルごとの行動を次のように示しています。
| レベル | 住民や登山者の行動 | 想定される現象の例 |
|---|---|---|
| 5(避難) | 危険な居住地域からの避難など | 溶岩流が居住地域に到達、または切迫 |
| 4(高齢者等避難) | 警戒が必要な居住地域で高齢者などが避難、住民は避難の準備 | 溶岩流が発生し、噴火が拡大すれば居住地域まで到達すると予想 |
| 3(入山規制) | 住民は通常の生活。状況に応じて高齢者などの避難の準備。登山禁止や入山規制 | 火砕流が火口から概ね4km以内に到達、噴石が概ね2km以内に飛ぶ |
| 2(火口周辺規制) | 住民は通常の生活。登山者は火口周辺への立入規制 | 小噴火で噴石が火口から概ね1km以内に飛ぶ、または小噴火の発生を予想 |
| 1(活火山であることに留意) | 状況に応じて火口内への立入規制 | 火山活動は静穏。火口内にとどまる土砂噴出などの可能性 |
レベル4と5の噴火警報(居住地域)は、特別警報に位置づけられています。今のレベル2とは段階が違います。範囲や対応の具体的な内容は地域防災計画などで決まっているので、住んでいる市村に確かめてください。
12これからレベルはどう変わるの?
今後は分かりません。気象庁は、異常が観測されずに噴火する場合もあり、レベルは順番どおりに動くとは限らないと説明しています。リーフレットには、過去にレベル2やレベル3に当たる噴石の飛散の例も示されています。たとえば2016年10月には、噴石が第一火口から約1.2kmまで飛びました。レベル2に当たる例では、1977年7月に噴石が第一火口から約800mまで飛んでいます。
解説情報は10月には毎週金曜の16時に出ています。訪れる前に、その日の情報を見てください。雨のときの土石流などは噴火警報の対象外なので、大雨の情報も合わせて見ましょう。
13確かめる先・相談先
- 今のレベルと警戒事項:気象庁「火山登山者向けの情報提供ページ」「阿蘇山の活動状況」
- 立ち入り規制や避難のこと:阿蘇市、南阿蘇村
- 火山の情報について:福岡管区気象台 地域火山監視・警報センター、熊本地方気象台、阿蘇山火山防災連絡事務所
- 体調のこと:かかりつけの医師。緊急のときは消防119番
よくある質問
阿蘇山の噴火警戒レベルは今いくつですか?
2026年11月1日時点で確かめた範囲ではレベル2(火口周辺規制)です。9月1日に3から引き下げられ、10月30日の解説情報でも続いています。
どの範囲に警戒が必要ですか?
中岳第一火口から概ね1kmの範囲で、大きな噴石と火砕流に警戒が必要です。風下では火山灰や小さな噴石、火山ガスにも注意します。
阿蘇へ旅行しても大丈夫ですか?
一言では答えられません。行き先が規制の範囲に入らないかを確かめ、阿蘇市、南阿蘇村、施設の案内に従って決めてください。
噴火警戒レベルが低ければ火山ガスは心配ありませんか?
リーフレットでは、噴火警戒レベルは火山ガスに関する規制とは異なるとしています。現地の案内も見てください。
対象の市町村はどこですか?
火口周辺で入山規制などの警戒をする対象は熊本県の阿蘇市と南阿蘇村です。高森町は9月1日に対象から外れました。
次にやること
出典(11件)
- 気象庁「阿蘇山の噴火警戒レベルを3へ引上げ」(令和8年8月14日)
- 気象庁「阿蘇山の噴火警戒レベルを2へ引下げ」(令和8年9月1日)
- 気象庁「火山活動の状況(阿蘇山)」噴火警報と解説情報(10月30日16時発表まで)
- 気象庁「阿蘇山の噴火警戒レベル」リーフレット(令和6年3月)
- 気象庁「噴火警戒レベルの説明」
- 気象庁「噴火警報等で用いる用語集」火山噴出物に関する用語
- 気象庁「噴火警報等で用いる用語集」火山ガスに関する用語
- 気象庁「噴火警報等で用いる用語集」火山活動全般に関する用語
- 気象庁「噴火警報等で用いる用語集」火山に関する防災情報についての用語
- 内閣府 広報誌ぼうさい「降灰予報~火山灰への備え~」気象庁地震火山部
- 気象庁「降灰予報の説明」
公的機関などの資料をもとに編集部がまとめました。専門家の監修は受けていません。

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