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停電・断水発表 2026.08.27掲載 2026.11.01

通電火災を防ぐチェックポイント 地震後のブレーカーとガス

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  • bichiku編集部
約6割出火原因が特定された火災のうち電気火災阪神・淡路と東日本大震災(東京都の資料)
166件配線器具の事故2021年から2025年の5年間
147件配線器具の事故のうち火災約9割
156件ガス供給器具の事故2021年から2025年の5年間

SUMMARY

要点をまとめると

01通電火災を防ぐには、避難するときにブレーカーを切ること、切れなかったときは帰宅してまず切ること、電気を戻すときはプラグを1台ずつ差して様子を見ることが基本です。

02留守のときに備えるなら、感震ブレーカーという機器もあります(2026年11月1日時点)

TO DO

今すぐやること

  1. 1分電盤とガスの元栓の場所を見ておく
  2. 2電源プラグのほこりを、抜いてから乾いた布で取る
  3. 3コードが家具の脚で踏まれていないか見る
  4. 4感震ブレーカーの補助を市区町村に聞く
  5. 5懐中電灯や足元灯を手の届く所に置く

そもそも通電火災とは?

停電から電気が戻るときに、傷んだ製品やコードから起きる火災です。

たとえるなら倒れたストーブのスイッチが入ったまま、留守の家で急に動き出すようなものです。

  1. 1地震で傷むコードや製品が傷つき、物が散らかる
  2. 2電気が戻る停電が直ると電気が流れ始める
  3. 3火が出るショートや過熱で燃えやすい物に火がつく

NITEと東京都の資料の説明をやさしく言い換えています。

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この記事の流れ

通電火災を防ぐチェックポイント 地震後のブレーカーとガス

読者

通電火災って、地震のあとすぐに起きるんですか?

電気が戻るときに起きます。何日か家を離れている間に起きることもあるので、前もって切っておくことが大切です。

そなえ

地震のあと、電気が戻った瞬間に火事が起きることがあります。これが通電火災と呼ばれるものです。避難するときにブレーカーを切る余裕があるのか、留守中に地震が来たらどうなるのか。考えると心配になる人も多いと思います。

この記事では、NITE(製品評価技術基盤機構)が2026年8月27日に発表した資料を中心に、消防庁と東京都の公式資料を2026年11月1日時点で確かめ、通電火災とガスの事故を防ぐ点検の項目を、日頃、地震のとき、復旧のときに分けてまとめました。

01この記事でわかること(3行まとめ)

読者

通電火災って、地震のあとすぐに起きるんですか?

電気が戻るときに起きます。何日か家を離れている間に起きることもあるので、前もって切っておくことが大切です。

そなえ
  • 通電火災は、電気が戻るときに傷んだ製品やコードから起きる火災です。地震直後だけでなく、復旧のときにも注意が必要です。
  • 避難するときは、余裕があればブレーカーを切ります。切らずに家を出たときは、帰宅してまずブレーカーを切り、プラグを抜きます。
  • 留守や急な避難に備えるなら、感震ブレーカーがあります。揺れを感知して電気を止める機器で、助成のある市区町村もあります。

02通電火災とは?なぜ電気が戻ると火事になるの?

11家具や本が倒れるストーブの周りに物が散らばる、コードが傷つく
22電気が戻るストーブが動く、コードがショートする
33火が出る燃えやすい物に火がつく

東京都の資料の例をもとに整理

NITEは、電気の復旧では、損傷したり水につかったりした配線器具や電気製品によって通電火災につながるおそれがあると説明しています。配線器具とは、コンセント、延長コード、テーブルタップなど電気をつなぐ器具のことです。

東京都の資料は、起きる流れを2つの例で示しています。

  • 例1:地震で本棚が倒れ、雑誌が電気ストーブの周りに散らばる。停電から電気が戻ってストーブが動き、紙に火がつく。
  • 例2:家具が倒れ、電気コードが下敷きになったり引っ張られたりして傷つく。電気が戻った瞬間にコードがショートし、散らかった部屋の燃えやすい物に火がつく。

どちらも、揺れている間ではなく、電気が戻るときに火が出ます。家に誰もいなければ、気づくのも遅れます。だからこそ、前もって電気を切っておくことが大切です。

03地震の火災は、どのくらい電気が原因なの?

消防庁の消防白書(令和6年版)は、過去の大規模地震のときに起きた火災のうち、電気を原因とする火災が半数以上を占めると説明しています。東京都の資料では、阪神・淡路大震災や東日本大震災で、出火原因が特定されたもののうち約6割が電気火災でした。

また、NITEの資料には、能登半島地震の輪島市大規模火災についても、電気に起因した可能性があるとの調査結果があると書かれています。ただ、これは「可能性がある」という調査結果で、断定されたものではありません。

消防白書は、感震ブレーカーの設置率が低いままであることも課題に挙げています。東京都は2026年6月25日、東京消防庁と東京電力パワーグリッドとの間で、通電火災を防ぐ情報発信などについて連携協定を結びました。国や自治体が呼びかけを強めているのは、こうした背景があるためです。

04日頃から確認しておくことは?

  • 電源プラグとテーブルタップなどの電源タップを小まめに掃除し、水分がかからないようにする
  • 電源プラグが変形していないかを見る
  • 電源コードを引っ張ったり、机や椅子の脚で踏んだりしていないかを見る
  • ガスコードのソケットにゴミがないかを見て、カチッと音がするまで差し込み、簡単に外れないことを確かめる
  • ガス栓を開けるときは、ガス栓からガス機器までつながっていることを確かめる
  • 家具を固定し、暖房器具の周りに燃えやすい物を置かず、感震ブレーカーを取り付ける

これがNITEの挙げる日頃の点検です。掃除をするときは、プラグを抜いて乾いた布でほこりを取ります。差込口にアルコールスプレーなどの液が直接かかると、ショートやトラッキング現象が起きるおそれがあります。トラッキング現象とは、プラグの周りにたまったほこりと水分で小さな火花が続き、やがて発火する現象です。

使っていないガス栓には、誤って開けないようガス栓カバーや誤操作防止キャップを付けます。入手方法は、契約しているガス事業者に問い合わせてください。

05普段の事故はどのくらいある?

NITEは、2021年から2025年までの5年間の事故を集計しています。下の事故は平常時のものです。ただ、NITEは、地震の揺れや製品の損傷でも同じような事故が起きるおそれがあるとしています。

分類事故の件数うち火災多かった原因
配線器具166件147件ほこりや水分によるトラッキング現象(使い方が関係する64件のうち22件)
ガス供給器具156件45件接続不良によるガス漏れと引火(誤使用や不注意による87件のうち54件)

配線器具の事故は約9割が火災でした。NITEは、こうした事故の多くについて、日頃の手入れや使用前の確認で防げた可能性が高いとしています。地震の前にできる対策でもあるので、年に一度でも見ておくと役立ちます。

コードは、見た目が無事でも安心できません。NITEは、曲げや引っ張りで中の芯線が一部切れた状態のまま電気を流すと、その部分が熱を持ち、コードの表面が溶けてショートする場合があると説明しています。2023年11月の兵庫県の事故では、テーブルタップのコードの根元に強い力がかかって芯線が切れかけ、発火したと推定されています。地震で家具が動いたあとは、下敷きになったコードをそのまま使わないでください。

06地震が起きたら何をする?

読者

揺れている間にブレーカーを切りに行くべきですか?

いいえ。まず身を守ります。揺れが収まってから、できる範囲で行います。

そなえ
11身の安全揺れが収まるまで動かない
22ガスの火を消す慌てずに
33電源とプラグ電熱器具が先
44ブレーカーを切る避難するときは切る

最初に守るのは、自分の身です。NITEの案内も「身の安全を最優先に」としています。次の行動は、揺れが収まってから、できる範囲で行います。

  1. ガス機器の火を消す:やけどをしないよう、慌てずに消します。
  2. 電気製品の電源を切り、プラグを抜く:特に電気こんろや電気ストーブなど、ヒーターを内蔵した器具が先です。
  3. 懐中電灯などで明かりを確保し、分電盤のブレーカーを切る:分電盤とは、家の電気をまとめて分けている箱で、ブレーカーはそのスイッチです。
  4. 避難するときは、余裕があればガスの元栓も閉める:電気のブレーカーは、避難するときは切るようNITEが呼びかけています。

避難のときに停電していなくても、製品が壊れていなくても、その後の余震で同じ状況になることがあるとNITEは説明しています。市区町村から避難の呼びかけがあるときや、火や煙が近いときは、避難を優先してください。

07ガスのにおいがしたら、どうする?

ガス機器は、震度5程度以上の揺れを感知すると、ガスメーター(マイコンメーター)が自動でガスを止めます。ただし、においがする場合は別の注意が必要です。

  • 火をつけない
  • 換気扇や電気のスイッチに触れない
  • 窓や戸を開けて換気する

スイッチに触れないのは、引火するおそれがあるためです。普段から、分電盤とガスの元栓がどこにあるか、どう操作するかを見ておきましょう。

ガスの種類によって、たまる場所が違います。NITEの資料によると、LPガス(プロパンガス)は空気より重く低い場所に、都市ガスは空気より軽く高い場所にたまっていきます。どちらも本来は無色無臭で、気づきやすいように臭いが付けられています。

08ガスを使い始めるときに確認することは?

接続部無理な力がかかっていないか
ソケットカチッと入り、外れないか
使わないガス栓間違えて開けていないか
  • ガス機器やゴム管が動いて、接続部に無理な力がかかっていないか
  • ソケットがカチッと音がするまで入り、軽く引いても外れないか
  • 使っていないガス栓を間違えて開けていないか
  • ガス栓の出口にキャップが付いているか

NITEは、地震の揺れや機器の移動で接続部がゆるむことがあり、そのまま使うとガス漏れのおそれがあるとしています。復旧作業や機器をつなぎ直すときに、使っていないガス栓を誤って開けてしまうこともあります。漏れたガスに火がつくと、爆発や火災につながるおそれがあります。

実際の事故例も載っています。2025年7月の神奈川県の例は、使っていないガス栓を誤って開けたことで微量のガスが漏れ、ガス給湯器の火が引火したと推定されています。なお、ガス栓のキャップは傷やゴミを防ぐための物で、ガス漏れを防ぐ物ではありません。少しでも不安があれば、契約しているガス事業者に相談してください。

09電気が戻るときに確認することは?

読者

電気がついたので、全部のコンセントを差し直していいですか?

1台ずつ差して、様子を見ながら使います。異音や異臭があれば、すぐに使うのをやめます。

そなえ
ブレーカー切れているか
製品の外観コードの傷み、焦げた跡
1台ずつ差して様子を見る
異音や異臭すぐやめて相談する
  1. 停電が直る前に、分電盤のブレーカーが切れているかを見る
  2. 切らずに家を出ていたときは、帰宅してまずブレーカーを切り、プラグを抜く
  3. 電源プラグやコードの傷み、焦げた跡、落ちて壊れていないかを製品ごとに見る
  4. 異常がなければブレーカーを入れ、プラグを1台ずつ差して様子を見ながら使う
  5. エラー表示、動きの異常、異音、異臭があれば、すぐに使うのをやめ、メーカーや販売店に相談する

東京都のチラシも、電気を戻す前に、ガス漏れや屋内外の配線の損傷がないこと、機器の周りに燃えやすい物がないこと、機器やコンセントに水がかかっていないことを確かめるよう呼びかけています。

水につかった製品は使わない

NITEは、地震や津波で損傷したり水につかったりした電気製品、ガス・石油機器は、そのまま使わないよう呼びかけています。中に水が残ったり、泥や塩分が付いたりしていると、使い始めるときに火災や不完全燃焼を起こすおそれがあるためです。メーカーや販売店に点検や修理を相談してください。大雨で雨漏りや浸水にあった家電も同じです。NITEの資料には、水につかったポータブル電源から火が出た事例が載っています。

10感震ブレーカーって何?どれを選べばいい?

読者

感震ブレーカーを付けたら、何も心配いりませんか?

夜に電気が止まると暗くなります。足元灯や懐中電灯も一緒に用意します。

そなえ
種類コンセント型選んだ機器だけ、または屋内すべて
種類簡易型屋内すべて。設置工事は不要
種類分電盤型屋内すべて。設置工事が必要

感震ブレーカーは、地震の揺れを感知して電気を止める機器です。NITEの資料では震度5強相当の揺れを感知するものと説明しています。留守のときや、ブレーカーを切る余裕がないときにも電気が止まります。東京都は「グラぴたスイッチ」という愛称で設置を呼びかけています。

種類止まる範囲設置工事止まるまでの時間
コンセント型(特定機器遮断型)選んだ機器だけ不要なし
コンセント型(一括遮断型)屋内すべて製品による製品による
簡易型屋内すべて不要製品による
分電盤型(内蔵型・後付型)屋内すべて必要あり(3分程度)

どれが合うかは家によって違います。東京都は、製品ごとの特徴や注意点を確かめて設置するよう案内しています。すでに付いているか分からないときは、分電盤などの「感震ブレーカー」「感震機能」「感震センサー」といった表記を探します。表記がなければ、型番で調べるかメーカーに問い合わせます。

設置するときの注意もあります。

  • 夜に電気が止まっても動けるよう、停電のときに自動でつく足元灯や懐中電灯を用意する
  • 命に関わる医療機器を使っている家では、停電に対応できるバッテリーなどを備える

NITEによると、都道府県や市区町村によっては、設置費用の助成や機器の配布をしています。東京都も、区市町村で補助をしている場合があるとしています。お住まいの市区町村に問い合わせてください。

11確かめる先・相談先

  • 製品の不調や水につかった製品:メーカー、販売店
  • 過去の事故とリコール:NITE SAFE-Lite、消費者庁リコール情報サイト
  • 感震ブレーカーの補助:お住まいの市区町村の防災担当
  • ガスのにおいや器具の点検:契約しているガス事業者
  • 避難の判断:市区町村の避難情報

この記事は2026年11月1日時点で確かめた内容です。NITEの案内は、状況に応じてできる範囲で行うものです。無理にブレーカーまで行こうとせず、身の安全を優先してください。

よくある質問

ブレーカーを切らずに避難してしまいました。どうすればいいですか?

帰宅したらまずブレーカーを切り、電気製品のプラグを抜きます。NITEの案内です。そのあと製品に傷みがないかを見て、順番に使い始めます。

停電していなければ、ブレーカーは切らなくていいですか?

NITEは、避難のときに停電や製品の損傷がなくても、余震で同じ状況になることがあるとしています。避難で家を離れるときは切るよう呼びかけています。

感震ブレーカーの補助はありますか?

助成や配布をしている都道府県や市区町村があります。内容は地域で異なるので、お住まいの市区町村に問い合わせてください。

自宅に感震ブレーカーが付いているか、どう見分けますか?

分電盤などに「感震ブレーカー」「感震機能」「感震センサー」といった表記があるか見ます。分からなければ、型番で調べるかメーカーに問い合わせます。

大雨で水につかった家電は、乾かせば使えますか?

そのまま使わないでください。NITEは、水や泥が残っていると火災の原因になるとして、メーカーや販売店への相談を呼びかけています。

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出典(6件)

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