SUMMARY
要点をまとめると
01十勝岳の噴火警戒レベルは10月16日に3から2へ下がりました。
02振幅の大きな火山性地震が起きなくなったためです。
03ただ熱活動やガスは高い状態で、62-2火口から概ね1.5kmの範囲では大きな噴石に警戒が必要です。
04立ち入りは地元の案内に従ってください(2026年11月1日時点)
TO DO
今すぐやること
- 1気象庁の十勝岳のページで、今のレベルを見る
- 262-2火口から概ね1.5kmの範囲に入らない
- 3登山道の規制を美瑛町・上富良野町・新得町に確かめる
- 4登山計画書を出し、ヘルメットを用意する
- 5風下に行く日は降灰予報を見る
そもそも噴火警戒レベルとは?
火山の状況に応じて、警戒が必要な範囲ととるべき対応を5段階で示すものです。
たとえるなら立ち入り禁止のロープが、火山の様子に合わせて近くなったり遠くなったりするようなものです。
- 1地震や熱を見張る気象台が観測し、評価する
- 2範囲とレベルを出す下げるときも理由を説明する
- 3町が規制する登山道の規制などを決めて知らせる
気象庁「噴火警戒レベルの説明」をやさしく言い換えています。
この記事をスライドで理解する(6枚)
1 / 6十勝岳の噴火警戒レベルは3から2へ 残る警戒と登山前の確認
レベルが下がったなら、もう大丈夫だよね?
安全になったという意味ではありません。概ね1.5kmの範囲に影響する噴火の可能性は残っています。
そなえ10月にレベル2へ下がったのはなぜ?
下がったらもう安全なの?
十勝岳に登る前に確認すること
まず、これだけ。
- 1気象庁の十勝岳のページで、今のレベルを見る
- 262-2火口から概ね1.5kmの範囲に入らない
- 3登山道の規制を美瑛町・上富良野町・新得町に確かめる
- 4登山計画書を出し、ヘルメットを用意する
十勝岳の噴火警戒レベルが3から2に下がったと聞いて、「もう安心なのか」「登ってもいいのか」と思った人もいるでしょう。反対に、レベルが上がったときの知らせを覚えていて、まだ心配な人もいると思います。
そこで、気象庁の報道発表、噴火警報、解説情報、十勝岳のリーフレットを2026年11月1日時点で確かめました。下がった理由と、下がった後も残る注意点をまとめます。
01この記事でわかること(3行まとめ)
- 十勝岳の噴火警戒レベルは9月12日に2から3へ上がり、10月16日に3から2へ下がりました。
- 警戒が必要な範囲は、62-2火口から概ね3kmから、概ね1.5kmに変わりました。
- 火山活動が高い状態は続いています。10月30日の解説情報でもレベル2の継続が示されています。
02十勝岳の噴火警戒レベルは今いくつ?
今はレベル2(火口周辺規制)です。札幌管区気象台が2026年10月16日10時に発表しました。10月30日16時の解説情報でも、火口周辺警報とレベル2の継続が示されています。
この間の動きを表にしました。
| 日付 | できごと | 警戒が必要な範囲 |
|---|---|---|
| 8月6日 | ごく小規模な噴火 | - |
| 8月17日以降 | 山の付近を震源とする振幅の大きな火山性地震が増える | - |
| 9月12日9時30分 | レベルを2から3(入山規制)へ引き上げ | 62-2火口から概ね3km |
| 10月16日10時 | レベルを3から2(火口周辺規制)へ引き下げ | 62-2火口から概ね1.5km |
62-2火口は、1962年に噴火した火口で、今も活発な噴気活動が続いているとリーフレットは説明しています。噴気とは、地面から出る水蒸気やガスのことです。
039月にレベル3へ上がったのはなぜ?
9月12日の発表では、熱活動が高まった状態が続く中で、8月17日以降、山の付近を震源とする振幅の大きな火山性地震が増えたことが理由とされています。熱活動とは、噴気の様子や温度などに表れる火山の熱の動きのことです。
振幅は揺れの大きさのことです。気象庁の用語集によると、火山性地震の評価では回数だけでなく、振幅の大きさや起きた場所も大切な手がかりになります。
リーフレットでは、レベル3の想定の1つに「熱活動の高まりがみられている中で、振幅の大きな火山性地震が増加する」ことを挙げています。今回の発表は、この想定と同じ流れでした。
0410月にレベル2へ下がったのはなぜ?
気象庁は、次の点から判断したと説明しています。
- 9月13日以降、振幅の大きな火山性地震は起きていない(硫黄沢観測点で最大振幅2マイクロメートル以上のもの)
- 規模の小さなものを含めて地震は少なく、地震活動に低下傾向が見られる
- 8月6日のごく小規模な噴火の後、噴火は観測されていない
これらから、62-2火口から1.5kmを超えて概ね3kmの範囲に影響する噴火の可能性は低くなったと判断されました。
05下がったらもう安全なの?
レベルが下がったなら、もう大丈夫だよね?
安全になったという意味ではありません。概ね1.5kmの範囲に影響する噴火の可能性は残っています。
そなえ安全になったという意味ではありません。気象庁は、範囲を狭めると同時に、活発な状態が続いていることも伝えています。
- 62-2火口と振子沢噴気孔群の付近で高温になっている
- 噴煙や噴気の高さが増え、発光現象が多く起きるなど、熱活動が高まった状態が続いている
- 3月以降、山の付近のやや深いところがふくらむ動きを示す地殻変動が続いている
- 4月以降、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量が増えている
地殻変動は、地面の位置や傾きが変わることです。今後も62-2火口から概ね1.5kmの範囲に影響する噴火が起きる可能性があるとされています。「レベルが下がった=何も起きない」ではなく、「警戒する範囲が変わった」と受け止めましょう。
気象庁の一覧では、最近1か月に十勝岳の噴火速報は出ていません。噴火速報は、噴火の発生を登山者や周辺の住民にいち早く知らせ、身を守る行動をとってもらうための情報です。解説情報は10月に入ってからも、10月2日、5日、9日、12日、16日、23日、30日と出ています。
レベルの決め方も知っておくと、発表が読みやすくなります。火山のある地元では、県や市町村、気象台、消防、専門家などが火山防災協議会を作り、噴火のときの避難についてふだんから話し合っています。噴火警戒レベルは、その結果に基づく「警戒が必要な範囲」と「とるべき防災対応」を示すものです。
06どこまで近づいてはいけないの?
1.5kmってどこを見ればいいの?
基準は62-2火口からの距離です。実際に通れる道は、町に確かめてください。
そなえ発表では、62-2火口から概ね1.5kmの範囲で、弾道を描いて飛ぶ大きな噴石に警戒するよう呼びかけています。大きな噴石は概ね20〜30cm以上の岩石で、風の影響をほとんど受けません。地元自治体などの指示に従い、危険な地域には入らないでください。
風下側では、火山灰や小さな噴石が遠くまで流されて降るおそれがあります。小さな噴石は直径数cm程度で、風に流されます。
リーフレットの登山道の規制範囲は次のとおりです。
| レベル | 登山道の規制範囲 |
|---|---|
| 3 | 火口から概ね3km以内 |
| 2 | 火口から概ね1.5km以内(グラウンド火口周辺) |
| 2 | 火口から概ね1km以内(避難小屋から上部、その他山頂へ通じる登山道) |
レベル2は活動の状況に応じて規制範囲が変わると、リーフレットにあります。今回の発表は概ね1.5kmです。実際にどの道を通れるかは、次に挙げる町へ確かめてください。
07火山ガスが増えているとは、どういうこと?
解説情報は、4月以降、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量が増えていると伝えています。火山ガスは、火山活動で地表に出てくる気体です。水、二酸化硫黄、硫化水素、二酸化炭素などが主な成分です。
気象庁の用語集によると、二酸化硫黄は無色で刺激臭のある有毒な気体です。低い濃度でも呼吸器を刺激し、せきや、気管支ぜんそく、気管支炎などを起こすことがあります。硫化水素は無色で、腐った卵のようなにおいがあり、高い濃度では呼吸まひなどを起こします。
放出量の増加は、火山の活動を見る手がかりの1つです。登山のしおりは、窪地や谷に火山ガスがたまっている可能性があるとして、立入禁止の場所に入らないよう呼びかけています。息苦しさやのどの痛みなど、体調の変化を感じたときは、その場を離れて医療機関や消防に相談してください。
08対象の市町村と温泉はどうなった?
10月16日の噴火警報では、火口周辺で入山規制などの警戒をする対象は、北海道の美瑛町、上富良野町、新得町です。富良野市と南富良野町は「入山規制などの特段の警戒が必要なくなった」とされました。
リーフレットでは、十勝岳温泉と吹上温泉を「特定地域」としています。居住地域より想定火口に近い温泉などの施設を含む地域で、レベル3で防災対応が必要とされています。今はレベル2ですが、営業や道路の状況は施設や町の案内を見てください。
リーフレットでは、レベル2と3のときの住民の行動は「通常の生活(今後の火山活動の推移に注意)」です。レベル3では、状況に応じて高齢者などの避難の準備をすることも書かれています。自分の地域の扱いは町の案内を優先してください。
09十勝岳に登る前に確認すること
- 噴火警報と解説情報を「火山登山者向けの情報提供ページ」で見る
- 登山道の規制を町に確かめる
- 登山計画書を出す(しおりによると、スマートフォンからも提出できます)
- ヘルメットを用意する
- 非常食や救急用品、防寒具を持つ
これらは、気象台と町が作った「火山への登山のしおり 十勝岳版」に載っています。しおりは、前触れなく噴火する可能性があること、窪地や谷には火山ガスがたまっている可能性があることも伝えています。積雪期は雪崩や滑落、遭難の事故にも注意が要ります。十分な体力、装備、計画が必要とされています。
もし噴火したら、近くのシェルターや岩陰などへ急いで避難し、ヘルメットをかぶり、マスクやタオルで口をふさぐとされています。異常と思われることに気づいたら、地元の町、警察、気象台などへすぐ連絡します。
10過去にはどんなことがあったの?
リーフレットには、各レベルに当たる過去の例が載っています。発表を読むときの参考になります。
| レベル | リーフレットにある過去の例 |
|---|---|
| 5(避難) | 1926年5月24日、噴火で中央火口丘が崩壊し大規模な融雪型火山泥流が発生/1962年6月30日、噴煙の高さが12,000mに |
| 4(高齢者等避難) | 1988年12月16日〜1989年3月5日、小規模な噴火が繰り返し発生 |
| 3(入山規制) | 1988年10月〜12月、体に感じる規模の地震が増加 |
| 2(火口周辺規制) | 1985年6月19日、62-1火口でごく小規模な噴火 |
融雪型火山泥流は、火山活動で山の雪や氷がとけて起きる泥の流れです。速さは時速数十kmに達することがあり、谷筋や沢沿いを遠くまで流れることがあります。これから雪が積もる季節です。今の発表はレベル2で、この規模の噴火を想定したものではありません。ただ、住まいや職場が川や沢の近くにある人は、町の防災マップや防災ガイドブックを見ておきましょう。
11これからまたレベルが上がることはある?
また上がるの?
分かりません。レベルは順番どおりに動くとは限らないと気象庁は説明しています。出かける前に毎回見ましょう。
そなえ今後どうなるかは分かりません。気象庁は、異常が観測されずに噴火する場合があり、レベルは順番どおりに動くとは限らないと説明しています。今回のように上がったり下がったりすることもあります。
噴火に伴う火山灰には降灰予報があります。噴火警報を発表中の火山では、生活に影響する降灰が予想される場合に、もし噴火したらどこに降るかを3時間ごとに示す「定時」の予報が出ます。噴火の後は5〜10分程度で「速報」、20〜30分程度で「詳細」が出て、降る場所と量を知らせます。風下へ出かける日は見ておくと安心です。
12確かめる先・相談先
- 今のレベルと警戒事項:気象庁「火山登山者向けの情報提供ページ」「十勝岳の活動状況」
- 登山道の規制や避難のこと:美瑛町、上富良野町、新得町
- 火山の情報について:札幌管区気象台 地域火山監視・警報センター、旭川地方気象台、釧路地方気象台
- 山で助けが必要なとき:警察110番、消防119番
よくある質問
十勝岳の噴火警戒レベルは今いくつですか?
2026年11月1日時点で確かめた範囲ではレベル2(火口周辺規制)です。10月16日に3から引き下げられ、10月30日の解説情報でも続いています。
レベル2に下がったら十勝岳に登れますか?
62-2火口から概ね1.5kmの範囲では大きな噴石に警戒が必要です。登山道の規制は美瑛町、上富良野町、新得町に確かめてください。
なぜレベルが下がったのですか?
9月13日以降、振幅の大きな火山性地震が起きておらず、地震活動に低下傾向が見られるためです。8月6日の後、噴火も観測されていません。
火山活動はもう落ち着いたのですか?
熱活動の高まり、火山ガスの増加、山のやや深いところのふくらみが続いており、気象庁は活動が高い状態としています。
登山のときに用意するものは?
しおりでは、ヘルメット、非常食、救急用品、防寒具などを挙げ、登山計画書の提出を勧めています。
用意するなら
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次にやること
出典(11件)
- 気象庁「十勝岳の噴火警戒レベルを3へ引上げ」(令和8年9月12日)
- 気象庁「十勝岳の噴火警戒レベルを2へ引下げ」(令和8年10月16日)
- 気象庁「火山活動の状況(十勝岳)」噴火警報と解説情報(10月30日16時発表まで)
- 気象庁「十勝岳の噴火警戒レベル」リーフレット(令和3年12月)
- 気象台ほか「火山への登山のしおり 十勝岳版」
- 気象庁「噴火警戒レベルの説明」
- 気象庁「噴火警報等で用いる用語集」火山噴出物に関する用語
- 気象庁「噴火警報等で用いる用語集」火山ガスに関する用語
- 気象庁「噴火警報等で用いる用語集」火山活動全般に関する用語
- 気象庁「噴火警報等で用いる用語集」火山に関する防災情報についての用語
- 気象庁「降灰予報の説明」
公的機関などの資料をもとに編集部がまとめました。専門家の監修は受けていません。

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