SUMMARY
要点をまとめると
01令和8年8月千葉豪雨の土砂災害は、国土交通省の速報で9月8日19時時点305件です。
02すべてがけ崩れで、千葉県が304件、市原市116件、千葉市73件が多くなっています。
03人の被害はなく、家の全壊は4戸です。
04斜面の近くでは、レベル4までに離れることが大切です(2026年11月1日時点)。
TO DO
今すぐやること
- 1自宅の周りに崖や急な斜面がないか、ハザードマップで見る
- 2大雨のときは、崖から離れた部屋や建物へ移ると決めておく
- 3避難先までの道が崖の下を通らないか調べる
- 4被害を受けたら、片付けの前に写真を撮る
そもそもがけ崩れとは?
地中にしみ込んだ水で土が弱くなり、雨や地震などで斜面が急に崩れ落ちることです。
たとえるなら水を吸いすぎた角砂糖が、急に形を保てなくなるようなものです。
- 1水がしみ込む雨が地中にしみ込みます。
- 2土が弱くなる土の抵抗力が弱まります。
- 3急に崩れる斜面が急に崩れ落ちます。突然起きます。
国土交通省「がけ崩れとその対策」の説明をやさしくしました
この記事をスライドで理解する(6枚)
1 / 6千葉豪雨の土砂災害は305件 市町別の数と斜面の近くの注意点
件数が少ない町なら安全ですか?
安全とは言えません。この表は起きた件数で、町の危険度の比較ではありません。自宅の場所をハザードマップで見てください。
そなえ千葉豪雨の土砂災害は何件起きた?
特別警報が出ていない所でも起きた?
斜面の近くに住んでいる人は、何を確認する?
まず、これだけ。
- 1自宅の周りに崖や急な斜面がないか、ハザードマップで見る
- 2大雨のときは、崖から離れた部屋や建物へ移ると決めておく
- 3避難先までの道が崖の下を通らないか調べる
- 4被害を受けたら、片付けの前に写真を撮る
千葉豪雨というと、道路や家の浸水を思い出す方が多いと思います。でも、同じ雨で土砂災害も数多く起きました。「千葉は高い山が少ないから大丈夫」と思っていた方は、驚いたかもしれません。
この記事は、国土交通省、内閣府、気象庁の公式資料を2026年11月1日時点で確かめてまとめました。数字は2026年9月8日19時時点の速報で、確認中のものも含まれ、今後変わる可能性があります。
01この記事でわかること(3行まとめ)
- 件数:土砂災害は305件で、すべてがけ崩れです。千葉県が304件、神奈川県が1件です。確認中のものも含みます。
- 場所:市原市116件、千葉市73件、東金市26件、大網白里市25件、茂原市24件が多くなっています。
- 被害:人の被害の報告はありません。家の被害は全壊4戸、半壊5戸、一部損壊44戸です。
02千葉豪雨の土砂災害は何件起きた?
国土交通省の「令和8年8月千葉豪雨に関する土砂災害発生状況」によると、件数は305件です。種類は305件すべてが「がけ崩れ」で、土石流や地すべりの報告はありません。
がけ崩れとは、地中にしみ込んだ水分で土の抵抗力が弱まり、雨や地震などの影響で斜面が急に崩れ落ちることです。国土交通省は、がけ崩れは突然起きるため、人家の近くで起きると逃げ遅れる人も多いと説明しています。
資料は、この雨の大きさも記しています。千葉市中央区で1時間に115.0ミリの雨を観測し、観測史上最大となりました。千葉県内では、気象防災速報(記録的短時間大雨)が25回発表されました。
03どの市町で多い?
件数が少ない町なら安全ですか?
安全とは言えません。この表は起きた件数で、町の危険度の比較ではありません。自宅の場所をハザードマップで見てください。
そなえ資料には、千葉県内の市町別の件数が載っています。多い順に並べました。
| 市町 | 件数 |
|---|---|
| 市原市 | 116件 |
| 千葉市 | 73件 |
| 東金市 | 26件 |
| 大網白里市 | 25件 |
| 茂原市 | 24件 |
| 八千代市 | 12件 |
| 佐倉市 | 5件 |
| 印西市 | 4件 |
| 四街道市、南房総市 | 各3件 |
| 館山市、木更津市、袖ケ浦市、山武市、睦沢町 | 各2件 |
| 市川市、勝浦市、八街市 | 各1件 |
| 千葉県の合計 | 304件 |
市原市と千葉市を合わせると189件で、千葉県の約6割です。件数は地形や調査の進み具合にも左右されると考えられるので、この表だけで町の危険度を比べることはできません。自宅の場所の危険は、ハザードマップで見てください。
雨と特別警報の流れ
件数の多い市町の周りでは、どのような雨が降ったのでしょうか。気象庁の事例の資料から、24時間の最大の雨と、土砂災害特別警報の発表の時刻を並べました。同じ市町でも、観測地点の外ではもっと強く降った所があるかもしれません。
| 市町 | 土砂災害の件数 | 近くの地点の24時間の雨 | 土砂災害特別警報 |
|---|---|---|---|
| 市原市 | 116件 | 牛久 233.0ミリ | 13日21時55分 |
| 千葉市 | 73件 | 千葉 367.0ミリ | 13日21時55分 |
| 茂原市 | 24件 | 茂原 247.5ミリ | 13日23時40分 |
大網白里市には13日23時40分、東金市と八街市には14日0時30分に、土砂災害特別警報が発表されました。すべてのレベル5特別警報は、14日5時15分にレベル4以下へ切り替えられています。雨の量と件数が比例しているわけではなく、地形など他の要素も関わると考えられます。
千葉県はがけ崩れの区域が多い
なぜ、すべてががけ崩れだったのでしょうか。理由を断定できる資料はありませんが、手がかりがあります。国土交通省の2026年6月30日時点のまとめでは、千葉県の土砂災害警戒区域は20,451区域です。その内訳は、急傾斜地の崩壊(がけ崩れ)が19,619区域、土石流が647区域、地滑りが185区域で、ほとんどががけ崩れの区域です。高い山がなくても、急な斜面の近くに暮らす人が多いことを、この数字は示しています。自分の家の近くの区域は、県や市町村の公表する地図で調べられます。
04特別警報が出ていない所でも起きた?
土砂災害の特別警報が出なければ、逃げなくていいですか?
そうではありません。特別警報の対象でない市町でも39件の報告があります。レベル3、レベル4の情報で動いてください。
そなえ千葉県内では、レベル5土砂災害特別警報が6市に出ました。千葉市、市原市、茂原市、大網白里市、東金市、八街市です。この6市の件数を足すと265件です。残りの39件は、土砂災害特別警報の対象ではなかった市町で起きています。
たとえば、八千代市の12件、佐倉市の5件、印西市の4件です。八千代市、佐倉市、印西市にはレベル5大雨特別警報が出ていましたが、土砂災害の特別警報は出ていませんでした。館山市、木更津市、勝浦市、南房総市のように、どちらの特別警報の対象でもなかった市でも報告があります。
気象庁は、特別警報が出ないからといって安心しないよう呼びかけています。特別警報を待たず、段階的に出る情報で早めに動くことが大切です。
大雨の範囲は千葉県だけではありません。内閣府の資料では、8月13日からの大雨で、レベル4土砂災害危険警報は12都県77市区町に発表されました。9月9日15時30分時点で、発表中の市区町村はありません。
05家の被害はどのくらい?
| 項目 | 9月8日19時時点 |
|---|---|
| 人の被害 | なし |
| 家の全壊 | 4戸 |
| 家の半壊 | 5戸 |
| 家の一部損壊 | 44戸 |
内閣府の9月9日の資料は、千葉県の304件について「その他人家被害確認中の箇所あり」と記しており、数字が増える可能性があります。資料に載っている例は次のとおりです。
- 8月14日、千葉市緑区越智町:家の全壊1戸
- 8月14日、市原市東国吉:家の一部損壊1戸
- 8月13日、四街道市鹿渡:家の一部損壊2戸
- 8月14日、大網白里市金谷郷:家の一部損壊1戸
内閣府の資料では、千葉豪雨全体で亡くなった方は13人と報告されています。一方、土砂災害の資料では人の被害は「なし」と集計されています。亡くなった方の原因を1人ずつ示した資料は、この記事で開いた中にはありません。
その後の千葉県の件数
千葉県の土砂災害は、その後も増えました。全国の資料では、千葉県の件数は8月31日時点で371件、9月30日時点で605件です。この間に、9月の台風第25号がありました。台風第25号に関する土砂災害の資料(10月16日現在)では、千葉県で604件が報告され、鴨川市などのがけ崩れで亡くなった方も報告されています。短い期間に強い雨が重なった年でした。千葉豪雨のあとに斜面を見て不安を感じた方は、市町村に相談してください。
06交通や暮らしへの影響は?
がけ崩れは、道路や鉄道にも影響しました。内閣府の9月9日の資料から、関連するものを挙げます。
- 小湊鉄道の小湊鉄道線では、養老渓谷駅から上総中野駅の間で土砂の流入などの被害がありました。資料では9月中旬に運転を再開する予定とされています。
- 9月9日8時時点で、千葉県の管理する道路の1区間で、のり面(道路わきの斜面)の崩落による通行止めが続いていました。
- 千葉県道生実本納線(旧千葉外房有料道路)では、のり面の崩落などの被害に、国が緊急の復旧を行いました。9月3日15時に全線で一般の車が通れるようになりました。
07どんなときにがけ崩れが起きやすい?
今回の資料の日付を見ると、示された例は8月13日と14日に集中しています。この2日に降った雨で多くの斜面が崩れたと考えられます。がけ崩れは、地中にしみ込んだ水が土を弱めることで起きるので、雨が弱まったあとでも油断はできません。内閣府の広報誌は、土砂災害は地中にたくさんの雨がたまったところに強い雨が降ると起きやすくなると説明しています。
気象庁の情報では、土砂災害の危険度は「土砂キキクル」で色分けされています。紫(危険)は重大な災害がいつ起きてもおかしくない状況、黒(災害切迫)は重大な災害が切迫しているか、すでに起きている可能性が高い状況です。
08斜面の近くに住んでいる人は、何を確認する?
- 区域を調べます。自宅が土砂災害警戒区域に入っていないかを、市町村のハザードマップで見ます。
- 前ぶれの例を知ります。がけの割れ目、がけからのわき水、小石がぱらぱら落ちる、木の根が切れるなどの音です。
- 情報で動きます。前ぶれがなく起きる場合もあるので、レベル3土砂災害警報で早めの避難を考え、レベル4土砂災害危険警報までに離れます。
- 行けないときの場所を決めます。避難先へ行くのが危ないときは、少しでも崖や沢から離れた建物に移ります。
- がけに近づきません。確かめるために見に行くのは危険です。
- 夜の過ごし方を考えます。夜に雨が強まりそうなときは、明るいうちに避難することを考えます。動けないときは、崖や沢から少しでも離れた、近くの頑丈な建物の上の階などで過ごします。
09被害を受けたら、どこに相談する?
がけ崩れの片付けは、すぐ始めたほうがいいですか?
まず安全を確保し、片付けの前に写真を撮ってください。手続きは市町村の窓口に相談します。
そなえがけ崩れで家が被害を受けたら、まず安全な場所へ移ります。雨がやんでも、崩れた斜面にはすぐに近づかないでください。手続きでは、内閣府の案内が次のように案内しています。
- 片付けの前に写真を撮ります。建物の周囲の4方向と、部屋ごとの様子を撮ります。修理や片付けのあとでは、正確な調査が難しくなります。
- 市町村でり災証明書を申請します。支援金などの申請に使う書類です。
- 土砂の除去の制度を聞きます。自宅が半壊や床上浸水などの被害を受け、土砂で日常生活に大きな支障があるときは、市町村が業者と契約して土砂などを取り除く制度があります。現金が支給されるものではなく、期間は原則として災害の発生から10日以内です。
- 応急修理の制度を聞きます。一定の被害を受けた家の、日常生活に欠かせない部分を応急的に修理する制度です。受けられる支援は災害の規模や被害で変わるので、市町村に確かめます。
10確かめる先・相談先
- 警戒区域:市町村のハザードマップ、国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」。住所で調べられます。
- 今いる場所の危険度:気象庁の「土砂キキクル」。
- 避難情報:住んでいる市町村のホームページ、防災行政無線、緊急速報メール。
- 被災したあとの手続き:住んでいる市町村の窓口。り災証明書や土砂の除去の制度を聞きます。
- 最新の件数:国土交通省「令和8年8月千葉豪雨による土砂災害」のページ。全国の状況は「令和8年に発生した土砂災害」のページにあります。
よくある質問
千葉豪雨の土砂災害は何件ですか?
国土交通省の速報で、9月8日19時時点で305件です。すべてがけ崩れです。
どこで多く起きましたか?
市原市116件、千葉市73件、東金市26件、大網白里市25件、茂原市24件が多くなっています。
人の被害はありましたか?
土砂災害の資料では、9月8日19時時点で人的被害は「なし」です。家の被害は全壊4戸、半壊5戸、一部損壊44戸です。
高い山がない所でも土砂災害は起きますか?
千葉豪雨では、斜面の近くなどで多くのがけ崩れが報告されました。自宅の周りをハザードマップで見ておいてください。
次にやること
出典(17件)
- 国土交通省「令和8年8月千葉豪雨に関する土砂災害発生状況(9月8日19:00時点)」
- 国土交通省「全国における土砂災害警戒区域等の指定状況(2026年6月30日時点)」
- 国土交通省「令和8年全国の土砂災害発生状況(8月31日時点)」
- 国土交通省「令和8年全国の土砂災害発生状況(9月30日時点)」
- 国土交通省「令和8年台風第25号に関する土砂災害発生状況(10月16日現在)」
- 内閣府「令和8年8月千葉豪雨による被害状況等について(令和8年9月9日12:00現在)」
- 消防庁「令和8年8月千葉豪雨による被害及び消防機関等の対応状況(第20報)」
- 気象庁「令和8年8月13日に千葉県にレベル5大雨特別警報やレベル5土砂災害特別警報を発表した事例」
- 気象庁「東京都伊豆諸島北部にレベル5土砂災害特別警報発表(9月21日)」
- 内閣府 広報誌「ぼうさい」「特集2 土砂災害に備える」
- 国土交通省「がけ崩れとその対策」
- 国土交通省「土砂災害の前兆現象の例」
- 国土交通省砂防部「要配慮者利用施設管理者のための土砂災害に関する避難確保計画作成の手引き」
- 気象庁「新たな防災気象情報 よくある質問」
- 気象庁「特別警報について」
- 内閣府「災害時の『住まい』と『生活』の再建に向けて」(令和8年6月作成)
- 国土交通省「ハザードマップポータルサイト」
公的機関などの資料をもとに編集部がまとめました。専門家の監修は受けていません。

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