SUMMARY
要点をまとめると
012026年5月から9月の熱中症の救急搬送は77,638人(確定値)で、平成20年の調査開始以降5番目の多さでした。
02前年より22,872人減っています。
03高齢者が59.7%、発生場所は住居が39.6%で最多です。
04室内でも油断せず、早めに涼しい場所へ移ることが大切です(2026年11月1日時点)
TO DO
今すぐやること
- 1来年の夏の前にエアコンが動くか試す
- 2高齢の家族に室内の暑さへの声かけをする
- 3応急処置の順番を家族で確かめる
- 4呼びかけに答えられないときは救急車を呼ぶと決めておく
- 5クーリングシェルターの場所を調べる
そもそも熱中症とは?
体温を平熱に保つために汗をかいて、水分や塩分が減ったり血液の流れが滞ったりし、体温が上がって起きる障害の総称です。
たとえるなら暑い部屋で冷却ファンが追いつかなくなったパソコンのようなものです。
- 1環境気温や湿度が高く、風が弱い
- 2からだ激しい運動や労働で熱が生じる、暑さに体が十分に対応できない
- 3行動暑い中で動き続けると、熱がたまりやすくなる
環境省 熱中症予防情報サイトの説明をやさしく言い換えています。たとえ話は当サイトによるものです。
この記事をスライドで理解する(6枚)
1 / 6熱中症の救急搬送は2026年に77,638人 住居が最多、高齢者が約6割
家にいたら熱中症にならないんじゃないの?
そうとは限りません。発生場所は住居が39.6%で最多です。庭など敷地内も含む数です。
そなえ2026年の熱中症の救急搬送は何人だったの?
どこで起きたの?住居が最も多い
熱中症かもと思ったらやることは?
まず、これだけ。
- 1来年の夏の前にエアコンが動くか試す
- 2高齢の家族に室内の暑さへの声かけをする
- 3応急処置の順番を家族で確かめる
- 4呼びかけに答えられないときは救急車を呼ぶと決めておく
熱中症で救急車に運ばれた人が今年も多かったと聞くと、自分や家族は大丈夫かと心配になるでしょう。外で働く人や運動する人のことと思っていたら、家の中でも多いと聞いて驚く人もいると思います。
そこで、消防庁が2026年10月28日に公表した確定値と、環境省の資料を2026年11月1日時点で確かめました。数字から分かることと、もしものときの動き方をまとめます。亡くなった方もいる話題です。数字は次の夏に備えるために読んでください。
01この記事でわかること(3行まとめ)
- 2026年5月から9月の熱中症の救急搬送は77,638人で、調査開始以降5番目の多さでした。
- 高齢者が59.7%を占め、発生場所は住居が39.6%で最も多くなっています。
- 入院が必要な中等症と重症は39.7%です。応急処置を知っておくと、もしものときに動けます。
022026年の熱中症の救急搬送は何人だったの?
消防庁によると、2026年(令和8年)5月から9月までの全国の熱中症による救急搬送人員は77,638人です。これは確定値で、調査を始めた平成20年以降で5番目に多い数です。昨年の同じ期間は100,510人だったので、22,872人減っています。
これまでで多かった年は次のとおりです。
| 順位 | 年 | 救急搬送人員 |
|---|---|---|
| 1 | 令和7年 | 100,510人 |
| 2 | 令和6年 | 97,578人 |
| 3 | 平成30年 | 95,137人 |
| 4 | 令和5年 | 91,467人 |
| 5 | 令和8年 | 77,638人 |
昨年より減ったとはいえ、少ない数ではありません。この順位は救急車で運ばれた人の数で、暑さの厳しさそのものを比べたものではない点も覚えておきましょう。
03いつ多かったの?5月から9月の月ごとの人数
| 月 | 令和8年 | 令和7年 |
|---|---|---|
| 5月 | 4,176人 | 2,614人 |
| 6月 | 4,064人 | 17,229人 |
| 7月 | 41,174人 | 39,375人 |
| 8月 | 24,956人 | 31,526人 |
| 9月 | 3,268人 | 9,766人 |
消防庁は、5月が過去2番目、7月が過去3番目の多さだったとしています。昨年と比べると、6月、8月、9月は少なく、5月と7月は多くなっています。全体が減っても、月によっては増えていました。5月にもう4,000人を超えている点が目を引きます。環境省は、無理をせず少しずつ体を暑さに慣らすよう呼びかけています。暑くなり始める時期から気をつけましょう。
04誰が多く運ばれたの?年齢別の割合
| 区分 | 人数 | 割合 |
|---|---|---|
| 高齢者(満65歳以上) | 46,345人 | 59.7% |
| 成人(満18歳以上満65歳未満) | 24,509人 | 31.6% |
| 少年(満7歳以上満18歳未満) | 6,380人 | 8.2% |
| 乳幼児(生後28日以上満7歳未満) | 399人 | 0.5% |
| 新生児(生後28日未満) | 5人 | 0.0% |
高齢者が約6割です。環境省は、高齢者、子ども、持病のある人、体に障がいのある人、肥満の人は熱中症になりやすいとして、身近な人の見守りや声かけを呼びかけています。
05どのくらい重かったの?傷病の程度
軽症なら放っておいていい?
消防庁は、軽症にも早く治療が必要だった人が含まれると注記しています。様子を見続けましょう。
そなえ| 初診時の程度 | 人数 | 割合 |
|---|---|---|
| 軽症(外来診療) | 46,346人 | 59.7% |
| 中等症(入院診療) | 28,775人 | 37.1% |
| 重症(長期入院) | 2,055人 | 2.6% |
| 死亡 | 120人 | 0.2% |
| その他 | 342人 | 0.4% |
重症は3週間以上の入院が必要なもの、死亡は初診のときに亡くなっていたことが確認されたものです。入院が必要な中等症と重症を合わせると39.7%になります。
消防庁は、軽症の中にも早く病院で治療が必要だった人や、通院が必要だった人が含まれると注記しています。「軽症なら大したことはない」とは言えません。
06どこで起きたの?住居が最も多い
家にいたら熱中症にならないんじゃないの?
そうとは限りません。発生場所は住居が39.6%で最多です。庭など敷地内も含む数です。
そなえ| 発生場所 | 人数 | 割合 |
|---|---|---|
| 住居(敷地内すべてを含む) | 30,718人 | 39.6% |
| 道路 | 16,080人 | 20.7% |
| 公衆(屋外):競技場や駅の屋外ホームなど | 8,529人 | 11.0% |
| 仕事場①:道路工事現場、工場、作業所など | 7,565人 | 9.7% |
| 公衆(屋内):飲食店、百貨店、病院など | 6,318人 | 8.1% |
| 教育機関 | 2,371人 | 3.1% |
| 仕事場②:田畑、森林、海、川など(農・畜・水産作業中) | 1,469人 | 1.9% |
| その他 | 4,588人 | 5.9% |
住居がいちばん多いのは、よく覚えておきたい点です。家にいれば安心とは限りません。ただし住居には庭など敷地内のすべてが含まれ、室内だけの数ではありません。
07都道府県で多かったのはどこ?
消防庁の資料によると、救急搬送人員が多かったのは次の都道府県です。人数での比較なので、人口の多い地域が上に来やすくなります。
| 都道府県 | 救急搬送人員 |
|---|---|
| 大阪府 | 6,460人 |
| 東京都 | 5,981人 |
| 愛知県 | 5,111人 |
| 埼玉県 | 4,278人 |
| 兵庫県 | 4,129人 |
08なぜ高齢者に多いの?
環境省の熱中症環境保健マニュアル(2022年)は、高齢者が熱中症にかかりやすい理由を次のように挙げています。
- 「暑い」と感じにくくなる
- 冷房を使う、服を調節するといった行動が遅れがちになる
- 汗の量や皮膚の血流が増えるのが遅れ、増え方も小さくなる
- 体の水分量が少なくなる
- のどの渇きを感じにくくなる
マニュアルに紹介された報告では、夏の高齢者(70歳以上)の部屋は、若い人の部屋より室温が2℃ほど高く、31〜32℃に達していました。冷房を使う時間が短く、設定温度も高いことが理由とされています。体が冷えるのを嫌がる、節電を意識するといった理由のほかに、暑さを感じにくくなることも一因です。
本人の感覚に任せず、温湿度計で室温を見ることが勧められています。エアコンを使うときの室温は28℃が目安です。離れて暮らす家族には「暑くない?」と聞くより、「今、部屋は何度?」と聞くほうが確かめやすいでしょう。
09子どもはどこに気をつければいいの?
今年の搬送では、少年が6,380人、乳幼児が399人でした。マニュアルによると、思春期前の子どもは汗をかくなどの体温を調節する力がまだ十分に発達していません。また、周りの温度が皮膚の温度より高いときや炎天下では、熱しやすい体つきと発達途中の汗の力が影響し、体の奥の温度が大人より大きく上がるとされています。
子どもを見ていて、顔が赤く、ひどく汗をかいているときは、体の奥の温度がかなり上がっていると考えられます。涼しい場所で休ませましょう。幼児は服の選び方や脱ぎ着を自分で十分に判断できないため、大人が気を配る必要があります。
10熱中症の症状は?重さをどう見分けるの?
マニュアルは、暑い環境での体調不良はすべて熱中症の可能性があるとしています。主な症状は次のとおりです。
| 重さ | 主な症状 | 対応 |
|---|---|---|
| Ⅰ度(軽症) | 立ちくらみ、筋肉のこむら返り | 応急処置と見守り |
| Ⅱ度(中等症) | 全身のだるさ、力が入らない、頭痛、吐き気、吐く、下痢など | 医療機関へ |
| Ⅲ度(重症) | 高い体温に加え、意識の異常、汗が止まるなど | 入院治療 |
救急搬送が必要かどうかを判断するポイントとして、マニュアルは次の3つを挙げています。
- 意識がしっかりしているか
- 水を自分で飲めるか
- 症状がよくなったか
少しでも意識がおかしいときは中等症以上と判断し、病院へ運ぶ必要があります。意識がないときは重症として扱います。搬送のときも応急処置のときも、誰かが付き添って見守ってください。
11熱中症かもと思ったらやることは?
とりあえず水を飲ませればいい?
意識がはっきりしているときだけです。反応がおかしいときや吐くときは飲ませず、病院へ運びます。
そなえ- 涼しい場所へ移す。風通しのよい日陰や、できれば冷房の効いた室内へ
- 衣服を緩め、体を冷やす。皮膚をぬらしてうちわや扇風機であおぐ、氷やアイスパックを首の付け根の両側、わきの下、太ももの付け根に当てる
- 意識がはっきりしていれば、冷たい水分と塩分をとる。大量に汗をかいたときは経口補水液やスポーツドリンクなど
- よくならないとき、自分で水分をとれないときは医療機関へ運ぶ
環境省のマニュアルは、呼びかけへの反応がおかしいとき、答えがないとき、吐き気を訴えたり吐いたりするときは、口から水分を飲ませてはいけないとしています。すぐに病院での点滴が必要です。呼びかけに答えられないなど重いときは救急車を呼び、到着を待つ間も体を冷やし始めます。
病院へ運ぶときは、状況がよく分かる人が付き添い、暑い場所にいたことや倒れるまでの様子を伝えましょう。判断に迷うときは医師や消防の指示に従ってください。
12避難所や停電のときの熱中症はどう防ぐの?
防災の面でも覚えておきたいことがあります。環境省のマニュアルによると、体育館や公民館などの避難所では、人が多く集まって室温が上がることがあります。間仕切りで風通しが悪くなり、熱がこもることもあります。
トイレが使いにくいために水分を控える人がいて、脱水から熱中症の危険が高まることも指摘されています。トイレが心配でも、水分はのどが渇いていなくても、こまめに少しずつとります。1時間にコップ1杯程度が目安です。エアコンが使えないときは、ぬれたタオルを肌に当ててうちわであおぐ、電池式の扇風機を使うといった方法があります。周りの人同士で、体調を崩している人がいないか声をかけ合いましょう。
13来年の夏に備えるには何をするといい?
- 夏の前にエアコンが動くか試し、温湿度計を置く
- 暑さ指数を見る。28を超えると熱中症の患者が大きく増える様子が環境省のグラフに示されている
- 熱中症警戒アラートが出たら、屋内ではエアコンなどを使い、こまめに休んで水分と塩分をとる
- 高齢の家族や近所の人に声をかける
- クーリングシェルターの場所を市町村のページで調べておく
環境省は、熱中症は死に至る可能性があるものの、予防法を実践することで防げると説明しています。夜はエアコンのタイマーが切れた後に室温がとても高くなることがあるので、タイマーは少なくとも3〜4時間使うよう、マニュアルは勧めています。すだれなどで日光をさえぎる、向き合う窓を開けて風を通す、我慢せずに冷房を入れて扇風機も併用するといった工夫も挙げられています。
14確かめる先・相談先
- 救急搬送の数字:消防庁「熱中症情報」
- 今の暑さ指数とアラート:環境省「熱中症予防情報サイト」
- クーリングシェルター:住んでいる市町村のホームページ
- 緊急のとき:消防119番。体調が心配なときはかかりつけの医師や医療機関
よくある質問
2026年の熱中症の救急搬送は何人でしたか?
消防庁の確定値で、5月から9月までに77,638人です。平成20年の調査開始以降で5番目に多い数です。
去年より増えましたか?
減りました。昨年の同じ期間は100,510人で、22,872人少なくなっています。
熱中症で運ばれた人はどの年代が多いですか?
満65歳以上の高齢者が46,345人で59.7%です。
どこで熱中症になる人が多いですか?
住居が30,718人で39.6%と最も多く、次いで道路が16,080人で20.7%です。住居には敷地内のすべてが含まれます。
熱中症の人に水を飲ませてよいですか?
意識がはっきりしていれば冷たい水分をとってもらいます。反応がおかしいときや吐き気があるときは飲ませず、すぐ医療機関へ運びます。
用意するなら
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次にやること
出典(10件)
- 消防庁「令和8年(5月〜9月)の熱中症による救急搬送状況」(令和8年10月28日)
- 環境省「熱中症環境保健マニュアル2022」熱中症を疑ったときには何をするべきか・医療機関に搬送するとき
- 環境省「熱中症環境保健マニュアル2022」どんな症状があるのか
- 環境省「熱中症環境保健マニュアル2022」高齢者と子どもの注意事項
- 環境省「熱中症環境保健マニュアル2022」日常生活での注意事項
- 環境省「熱中症環境保健マニュアル2022」自然災害時の注意事項
- 環境省 熱中症予防情報サイト「熱中症の予防方法と対処方法」
- 環境省 熱中症予防情報サイト「熱中症警戒情報とは」
- 環境省 熱中症予防情報サイト「熱中症特別警戒情報とは」
- 環境省 熱中症予防情報サイト「暑さ指数とは?」
公的機関などの資料をもとに編集部がまとめました。専門家の監修は受けていません。

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