SUMMARY
要点をまとめると
01暑い車内や日の当たる場所に置かない、強い衝撃を与えない、目の届く所で充電する、が基本です。
02ふくらみやにおいなどの異常があれば使用をやめ、燃えない容器に入れて販売店やメーカーに相談します。
03リコール情報も調べ、一般のごみに混ぜません(2026年11月1日時点)。
TO DO
今すぐやること
- 1防災袋や車の中に入れたままになっていないか見る
- 2ふくらみ、変形、変なにおいがないか見る
- 3製品名をSAFE-Liteかリコール情報サイトで調べる
- 4説明書で保管中の充電の間かくを見る
- 5「〇〇市 リチウムイオン電池 捨て方」で捨て方を調べる
そもそもリチウムイオン電池とは?
小さくて軽く、繰り返し充電できる電池です。スマートフォンやモバイルバッテリーに使われます。
たとえるなら小さな体に大きな力をためています。その分、強い衝撃や高い熱が苦手です。
- 1賢く選ぶ買う前に、販売元やリコールの情報、PSEマークを見ます。
- 2丁寧に使う高温の場所に置かず、衝撃を与えず、異常があればやめます。
- 3正しく捨てる電池を使い切り、市区町村やメーカーの回収の方法を確かめます。
NITE「『夏バテ(夏のバッテリー)』にご注意を」と消防庁のポータルサイトの説明をやさしくしました
この記事をスライドで理解する(6枚)
1 / 6モバイルバッテリーの発火を防ぐ 防災袋や車に入れたままの人へ
防災袋に入れない方がいいですか?
入れること自体がいけないと書いた資料は、確かめた範囲ではありません。置く場所と、状態を見ることが大切です。
そなえしまうときに確認すること
こんな異常があれば使うのをやめる
もし発火したらどうしますか
まず、これだけ。
- 1防災袋や車の中に入れたままになっていないか見る
- 2ふくらみ、変形、変なにおいがないか見る
- 3製品名をSAFE-Liteかリコール情報サイトで調べる
- 4説明書で保管中の充電の間かくを見る
停電に備えてモバイルバッテリーを防災袋に入れた。でも、発火のニュースを見ると、入れたままで大丈夫なのか気になります。かといって、スマートフォンの電源がなくなるのも心配です。
この記事では、NITE(製品の事故を調べる機関)、消防庁、消費者庁、環境省の公式資料を2026年11月1日時点で確かめ、防災用に持つ人が見ておくことをまとめました。正しく扱うことで避けられる事故も多いので、一つずつ見ていきましょう。
01この記事でわかること(3行まとめ)
- モバイルバッテリーの火災は増えていて、2025年は482件でした。
- 車内や窓際に置かない、強い力を加えない、目の届く所で充電する、が基本です。
- リコールを調べ、異常があれば使用をやめて相談します。捨てるときは一般のごみに混ぜません。
02モバイルバッテリーの発火は増えているのですか
増えています。消防庁の調査では、モバイルバッテリーから出た火災は次のとおりです。
| 年 | 件数 |
|---|---|
| 2022年 | 122件 |
| 2023年 | 182件 |
| 2024年 | 290件 |
| 2025年 | 482件 |
2024年と比べて約7割の増加です。リチウムイオン電池を使う製品全体では、2025年の火災は1,297件でした。この数字には、ごみ収集車やごみ処理施設で起きた火災は入っていません。
NITEの資料では別の集計があります。2021年から2025年までの5年間で、リチウムイオン電池を使う製品の事故は2140件でした。製品別で最も多いのがモバイルバッテリーで、506件です。2025年は2021年の3倍以上に増えました。事故は春から夏にかけて増え、8月に最も多くなります。
消費者庁の2026年8月の調査(全国の15歳以上5,000人)では、モバイルバッテリーを持っている人は44.5%でした。身近な製品だからこそ、知っておく価値があります。
実際にはどんな事故が報告されていますか
消費者庁の事故情報データバンクには、2021年4月1日から2025年9月30日までに、モバイルバッテリーの発熱や発火などの情報が約700件登録されています。報告の例は次のようなものです。
- かばんに入れてスマートフォンを充電中に発火した
- 自動車の中に置いていたところ発火した
- 他社製の充電器とUSBケーブルをつないで充電中に発火した
- 充電して1時間後に音がしたあと、ふくらんだ
- 使っている途中で本体が熱くなって煙が出て、寝具が焦げた
NITEの集計では、モバイルバッテリーの事故506件のうち、火災は488件です。被害にあった方は26人でした。2024年7月には大阪府で、かばんに入れて自転車で走っている途中に異音がして、確認すると製品と周辺が焼けていた事故がありました。原因の特定には至っていませんが、外から力が加わって電池が異常に熱くなった可能性が考えられています。
こうした事故は、だれにでも起こりえます。持ち主を責める話ではなく、持ち方や置き方を見直す材料として読んでください。消費者庁の調査でも、使うときや持ち歩くときに気をつけていることとして最も多かったのは「高温になるところに置かない」で、54.7%でした。
03防災袋や車に入れたままでも大丈夫ですか
防災袋に入れない方がいいですか?
入れること自体がいけないと書いた資料は、確かめた範囲ではありません。置く場所と、状態を見ることが大切です。
そなえ防災袋に入れること自体がいけないと書いた資料は、確かめた範囲ではありません。問題は、置いている場所と、状態を見ないまま放っておくことです。
NITEの集計では、モバイルバッテリーの事故506件のうち、充電中や使用中ではない事故が129件ありました。自動車の中の事故は49件です。使っていないから安心とは言えません。
NITEが紹介した例に、2024年7月に滋賀県の店の駐車場で、車の中に置いていたモバイルバッテリーと周辺が焼けた事故があります。電池の中の圧力が上がってふくらみ、破裂して出たガスに火がついたものと推定されています。
NITEのチェックリストでは、暑い日は車のダッシュボードだけでなく、座席の上など車内全体が高温になるとしています。かばんに入れていても、直射日光の当たる場所に置きっぱなしにしないよう書いています。自宅の窓際も同じです。
車に防災用品を積んでいる人は、少なくとも暑い時期はモバイルバッテリーを車に置きっぱなしにしないと決めておくと分かりやすいです。消費者庁も、自動車の中は短時間で高温になることがあるとして、ダッシュボード、座席、トランクなど車内に放置しないよう呼びかけています。
04雨や浸水で濡れたモバイルバッテリーは使えますか
防災で気になるのが水です。消費者庁は、リチウムイオン電池は水濡れや湿気でも中が傷むことがあるとしています。雨や水辺のあとに濡れたまま放っておかないよう呼びかけています。
消費者庁に寄せられた事例には、雨に濡れたモバイルバッテリーをビニール袋に入れて机に置いていたら、翌朝、黒ずんでビニールが溶け、机の表面が焦げていたというものがあります。
NITEの災害時の資料では、水に浸かった製品は、使う前にメーカーや販売店の点検や修理を受けるよう書いています。水害のあとに濡れたモバイルバッテリーを見つけたら、充電して試すのはやめて、買った店やメーカーに相談してください。捨てる場合は市区町村の案内を確かめます。
05しまうときに確認すること
- 日の当たる窓際や暑い車内を避けて置きます。
- 防災袋の中で、硬い物や重い物が近くに来ないようにします。NITEは、かばんの中で上や近くに硬い物や重い物を置かないよう書いています。
- しまうときは、なるべく満充電を避けます。
- どのくらいの間かくで充電が必要かを、説明書で確かめます。放電しすぎによる劣化を防ぐためです。
- 水に濡らしません。防水機能のない製品が対象です。
防災袋を点検する日を決めて、そのときに一緒に見ると忘れません。電池の残りと、ふくらみの有無を見るだけでも違います。
06持ち歩くときと充電するときの注意は
消防庁の調査では、モバイルバッテリーの出火原因として特定されたものの上位は、外からの衝撃と高温の場所での使用です。NITEの資料でも、衝撃が加わると中でショートが起き、発煙や発火につながるとされています。
- 落とさない。強い衝撃や圧力を加えない
- ズボンの後ろのポケットには、なるべく入れない(座るときに折れ曲がる可能性があります)
- 指定された充電器を使う
- 安全な場所で、目の届く所で充電する
- 出かけるときと寝るときの充電は避ける
- まわりに燃えやすい物がない場所で充電する
NITEの集計では、モバイルバッテリーの事故506件のうち297件が充電中でした。充電が終わった直後の事故も含みます。夜に寝室で充電したままにする人は、見直すきっかけにしてください。
07こんな異常があれば使うのをやめる
異常を感じたら、金属の缶や土鍋など燃えない容器に入れて、販売店やメーカーに相談します。
- 充電できない
- 不意に電源が切れる、急に残量がなくなる
- 充電中に前より異常に熱くなる
- ふくらんでいる、変形している
- 焦げたにおいや薬品のようなにおいがする
- 落としたりぶつけたりして、一部が変形や破損している
異常を感じたら使用をやめ、金属の缶や土鍋など燃えない容器に入れて、販売店やメーカーに相談します。ふくらみを押して元に戻そうとしないでください。NITEは、膨張を戻そうと強い力を加えて、異常に熱くなって火が出た事故も紹介しています。
08リコールの対象かどうかはどう調べますか
リコールとは、製品に問題が見つかったときに、事業者が回収や交換などをすることです。NITEの集計では、モバイルバッテリーの事故506件のうち69件がリコール対象の製品でした。買ったあとに情報を追うのは難しいものです。気づいた今、調べてみましょう。
- 製品に書かれたメーカー名と型番を控えます。
- NITEのSAFE-Liteか、消費者庁のリコール情報サイトで検索します。
- リコール情報サイトの「【特集】モバイルバッテリー」では、関連する情報をまとめて見られます。
- 対象なら、問題が起きていなくてもすぐ使用をやめ、買った店や製造・輸入の事業者に相談します。
2025年1月に千葉県で起きた事例では、充電中に異臭と煙があり、確認すると製品と周辺が焼けていました。この製品は、2024年9月から回収と交換が行われていた対象でした。ただし資料では、焼け方が激しく、熱くなった原因の特定には至らなかったとされています。
09もし発火したらどうしますか
水をかけて大丈夫ですか?
NITEは、小型のものなら火花が収まったあとに消火器か大量の水で消すと案内しています。難しければ119番です。
そなえ難しいと感じたら、身の安全を第一に119番に連絡します。
- まず自分の身の安全を確保します。煙や炎が噴き出しているときは近づきません。
- ポケットに入る小型のものなら、火花が収まったら、消火器か大量の水をかけて消します。
- 消したあとも熱を持っています。できるだけ水に沈めた状態にして、消防に連絡します。
- 難しいと感じたら、身の安全を第一に119番に連絡します。
これはNITEの資料の手順です。その場の判断は安全を最優先にしてください。
10不要になったモバイルバッテリーの捨て方
普通のごみに出してもいいですか?
一般のごみには混ぜません。住んでいる市区町村の捨て方と、メーカーや販売店の回収を確かめます。
そなえ消費者庁の調査では、不要になったときに「捨て方が分からないので保管したままにする」と答えた人が16.5%いました。迷う人は少なくありません。
環境省の調査では、市町村のごみ処理で、リチウムイオン電池などが原因と疑われる火災事故等が、2025年度に39,282件ありました。そのうち、職員や消防隊が消火した事故等は9,456件です。一般のごみに混ぜると、つぶされたときに火が出るおそれがあります。
- 燃えるごみや不燃ごみなど、一般のごみに混ぜません。
- 分解しません。
- できるだけ電池を使い切ってから捨てます。消費者庁は、端子に絶縁テープを貼ると発火のリスクを下げられると書いています。
- 住んでいる市区町村の捨て方を確かめます。「〇〇市 リチウムイオン電池 捨て方」で検索できます。
- メーカーや販売店の回収も確かめます。2026年4月1日から、モバイルバッテリーはメーカーなどの自主回収・リサイクルの対象になりました。対応はメーカーごとに違います。
- JBRC(充電式電池を回収する団体)の回収は、会員企業の製品で、破損、水濡れ、ふくらみなどの異常がないものが対象です。
ふくらんでいるなど異常のあるものは、回収の条件から外れることがあります。市区町村や販売店に、状態を伝えて相談してください。
11新しく買うときに見る点はありますか
特定の商品をすすめることはできませんが、NITEのチェックリストには次の項目があります。
- PSEマークがあるか、近くに事業者名が書かれているか
- リコール情報を調べたか
- 似た製品と比べて極端に安くないか
- 販売元の連絡先が分かり、日本語で相談できるか
- 捨て方を前もって調べたか
PSEマークは、電気用品安全法の基準に合うことを事業者が確かめた印です。飛行機では、2026年4月24日から、機内に持ち込めるのは160Wh以下で2個までになりました。機内でモバイルバッテリーを充電することも、モバイルバッテリーから他の機器を充電することも、しないこととされています。避難や帰省で飛行機を使う人は覚えておきましょう。鉄道や高速バス、宿泊施設でも独自のお願いを出している場合があるので、乗る前や泊まる前に確かめてください。
覚えておきたい「3つのC」とは何ですか
経済産業省や環境省などの関係省庁は、リチウムイオン電池の事故を防ぐ合言葉として「3つのC」を呼びかけています。
| 合言葉 | 内容の例 |
|---|---|
| 賢く選ぶ(Cool Choice) | 買う前に販売事業者の連絡先、製品情報、リコール情報を見る。表示マークを見る |
| 丁寧に使う(Careful use) | 高温の場所で使わない、置かない。強い衝撃や圧力を加えない。異常を感じたらやめる |
| 正しく捨てる、そして資源循環(Correct disposal with better recycling) | リチウムイオン電池の有無を見る。メーカー回収や自治体の回収区分を確かめる |
電池の表示には「リチウムイオン」のほか、「リチウムポリマー」「Li-ion」「Li-Po」などがあります。消費者庁は、充電して繰り返し使える製品で、電池の説明に「リチウム」とあれば同じように扱うよう書いています。表示がないときは、買った店やメーカーに聞いてください。
消費者庁の調査では、モバイルバッテリーを買うときに重視する点は価格が51.2%で最も多く、安全性は36.3%でした。価格だけで決めず、上の項目もあわせて見てみましょう。
12確かめる先・相談先
- NITEのSAFE-Lite:製品の事故とリコールの情報を検索できます
- 消費者庁のリコール情報サイト:キーワードで検索でき、メールで受け取る登録もできます
- 住んでいる市区町村のごみの窓口:捨て方を確かめます
- 買った販売店やメーカー:異常があるときの相談先です
- 火が出て消せないとき:119番
よくある質問
モバイルバッテリーの発火はどのくらい起きていますか?
消防庁の調査では、2025年のモバイルバッテリーの火災は482件で、2024年の290件から約7割増えました。
使っていなくても発火することはありますか?
NITEの集計では、モバイルバッテリーの事故506件のうち129件が充電中や使用中ではない事故でした。置き場所も大切です。
ふくらんだモバイルバッテリーはどうすればよいですか?
使用をやめ、押して戻そうとせず、金属の缶や土鍋など燃えない容器に入れて、販売店やメーカーに相談します。
寝ている間に充電してもよいですか?
NITEは、外出時や就寝時の充電を避け、目の届く所で充電するよう呼びかけています。
不要になったらどこに出しますか?
住んでいる市区町村の捨て方と、メーカーや販売店の回収を確かめます。一般のごみに混ぜないでください。
飛行機に持ち込めますか?
2026年4月24日からのルールでは、機内に持ち込めるのは160Wh以下で2個までです。機内での充電はできません。
次にやること
出典(13件)
- 消防庁「リチウムイオン電池等から出火した火災の調査結果の公表(令和7年)」(令和8年3月26日)
- NITE「『夏バテ(夏のバッテリー)』にご注意を」(2026年7月15日)
- NITE 発表資料(PDF)「『夏バテ(夏のバッテリー)』にご注意を」
- 消費者庁「令和8年度第1回消費生活意識調査結果について」(令和8年9月17日)
- 消費者庁「リチウムイオン電池は、正しく捨てる そして 資源循環!」(2026年3月13日)
- 環境省「市町村におけるリチウムイオン電池等の処理状況調査結果(令和7年度実績)」
- 国土交通省「モバイルバッテリーの機内持込みの新たなルールについて」(令和8年4月14日)
- 消費者庁 リコール情報サイト「【特集】モバイルバッテリー」
- 消費者庁「あなたのモバイルバッテリーは大丈夫?」(2025年12月19日)
- 消費者庁「要注意!暑い時期のリチウムイオン電池」(2026年5月15日)
- NITE「災害復旧時の製品事故の防止について」
- 消防庁「リチウムイオン電池総合対策ポータルサイト」
- NITE「SAFE-Lite」
公的機関などの資料をもとに編集部がまとめました。専門家の監修は受けていません。

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