SUMMARY
要点をまとめると
01ペットの防災は、フードと水を少なくとも5日分、できれば7日分以上置くこと、キャリーバッグに慣らすこと、迷子札などで飼い主が分かるようにすることから始めます。
02同行避難は一緒に避難する行動で、同じ部屋で過ごせる意味ではありません。
03受け入れ先を調べましょう(2026年11月1日時点)。
TO DO
今すぐやること
- 1フードの1日量を量り、7日分を計算する
- 2キャリーバッグに慣らす練習を始める
- 3迷子札を付け、連絡先が今のものか確かめる
- 4スマホと紙にペットの写真を用意する
- 5ペットを受け入れる避難先と預け先を調べる
そもそも同行避難とは?
災害のときに、ペットと一緒に避難する行動のことです。
たとえるなら「一緒に出発する」という意味で、「同じ部屋に泊まる」という約束ではありません。
- 1調べるペットを受け入れる避難所を市区町村の案内で調べます。
- 2連れて出るキャリーやリードで安全にして、避難用品と一緒に向かいます。
- 3ルールに従う避難所の決まりに従い、飼い主が責任を持って世話をします。
環境省「人とペットの災害対策ガイドライン<一般飼い主編>」の説明をやさしくしました。
この記事をスライドで理解する(6枚)
1 / 6ペットの防災は何から?フードの量と持ち出す物、同行避難
同行避難なら、同じ部屋で一緒にいられますか?
同行避難は一緒に避難する行動のことです。同じ部屋で過ごせるとは限らないので、市区町村の案内を確かめましょう。
そなえ持ち出す物は、何を優先すればいいですか?
避難所にペットと一緒に入れますか?
迷子になったときのために、何をしておけばいいですか?
まず、これだけ。
- 1フードの1日量を量り、7日分を計算する
- 2キャリーバッグに慣らす練習を始める
- 3迷子札を付け、連絡先が今のものか確かめる
- 4スマホと紙にペットの写真を用意する
地震や大雨のとき、この子をどうやって連れて逃げよう。避難所に一緒に入れるのだろうか。フードが手に入らなかったらどうしよう。ペットと暮らす人にとって、災害の不安は自分のことだけではありません。ただ、ペットの備えは特別なことばかりではなく、普段の暮らしの延長でできることが多くあります。
この記事は、環境省の「人とペットの災害対策ガイドライン<一般飼い主編>」を中心に、中央防災会議の防災基本計画と千葉市の公式資料を2026年11月1日時点で確かめてまとめました。頭数別の計算は、このサイトで例として作ったものです。受け入れの決まりは地域で違うので、お住まいの市区町村の案内を優先してください。
01この記事でわかること(3行まとめ)
- フードと水は少なくとも5日分、できれば7日分以上です。療法食は早めに動物病院へ相談します。
- 普段の健康管理としつけが、いちばんの備えです。キャリーに慣らし、迷子札やマイクロチップで飼い主が分かるようにします。
- 「同行避難」は、同じ部屋で過ごせる意味ではありません。受け入れ先と預け先を前もって調べます。
02ペットの防災は、何から始めればいいですか?
環境省のガイドラインによると、大事な点は3つです。
- 飼い主が自分の安全を守ること。それが災害時にペットを世話することにつながります。
- 健康面やしつけを含めて、普段から適切に飼うこと。これが最も有効な災害対策とされています。
- 災害のときはペットを落ち着かせ、逃げ出しやけがに注意して一緒に避難すること。
最初にやることとして、次の3つを選びました。
- フードと水を多めに用意する。
- キャリーバッグやケージに慣らす。
- 迷子札など、飼い主が分かるようにする。
環境省の資料は、AさんとBさんを比べています。Aさんは、ワクチンとケージの練習、避難所の確認、ペットの避難セットを済ませていました。その結果、受け入れてくれる避難所へ比較的スムーズに行き、ペットも落ち着いていました。Bさんはそれらが後回しになり、避難所を探して長い時間がかかりました。誰かを責める話ではなく、普段の備えで差が出ることを示す例です。
03災害が起きたら、ペットとどう動けばいいですか?
環境省の流れの図を、順番にまとめました。避難の判断は、公的機関の呼びかけと市区町村の案内を優先してください。
- まず自分の安全を確保する。そのうえで、ペットの様子と周りの状況を確かめます。
- 避難するかを判断する。家が安全なら在宅避難もあります。危険があれば、ペットと同行避難します。
- 受け入れ先へ向かう。受け入れない避難所のときは、ペットを受け入れる避難所を探します。知人や施設に預ける、車やテントを使う、といった例も図に示されています。
資料には、地震におびえた猫が物陰に隠れて、呼んでもなかなか出てこなかった例が載っています。普段からケージに慣れていれば、そこへ逃げ込んで無事だった例もあります。慌てて探さずに済むよう、隠れそうな場所を知っておきましょう。
04フードと水は、どのくらい備えればいいですか?
避難所に行けばフードはもらえますか?
支援の物資が届くまで5日程度かかる場合があります。いつものフードを少なくとも5日分、できれば7日分以上置きましょう。
そなえ環境省の目安は、少なくとも5日分、できれば7日分以上です。資料には、支援の物資が届くまで5日程度かかる場合もあると書かれています。過去の災害では、人の支援物資はあっても、ペットフードの支援はしばらくなかった例もありました。
必要な量は、種類や大きさでまったく違います。次の式で計算しましょう。
1日に食べる量 × 日数 × 頭数
下の数字は計算のための仮の量です。実際の量は、いつもの量を量って当てはめてください。
| 例 | 1日の量(仮) | 5日分 | 7日分 | 14日分 |
|---|---|---|---|---|
| 犬1頭 | 150g | 750g | 1,050g | 2,100g |
| 犬2頭 | 300g(2頭合計) | 1,500g | 2,100g | 4,200g |
| 猫1匹 | 50g | 250g | 350g | 700g |
| 猫2匹 | 100g(2匹合計) | 500g | 700g | 1,400g |
| 犬1頭と猫1匹 | 200g(合計) | 1,000g | 1,400g | 2,800g |
14日分の列は、多めに置きたい家のための、このサイトの計算例です。袋の重さと比べると、あと何袋必要かが分かります。例えば、犬1頭で7日分が1,050グラムなら、1キログラムの袋を2袋用意すると足ります。
水はどう考えますか?
資料に、種類ごとの水の量の数字は見当たりませんでした。普段どれくらい飲んでいるか、数日分を器で測っておきましょう。例えば1日200ミリリットル飲むなら、7日分で1.4リットルです。人の目安の1日3リットルには、ペットの分は入っていません。別に数えましょう。
フード選びで気をつけることは?
環境省の資料には、救援物資のペットフードを食べなくて困った例が載っています。普段食べているフードを多めに置くのが基本です。人の食品と同じように、古い物から使って買い足すことができます。千葉市も、家の備蓄品の例にペットフードを挙げています。
療法食を食べているペットは、特に注意が必要です。避難先で治療用のフードの入手に苦労した例もあります。どのくらい置けばよいか、かかりつけの動物病院に相談しておきましょう。
05持ち出す物は、何を優先すればいいですか?
環境省は、持ち出す優先順位の例を示しています。全部は持てないときの考え方として使えます。
| 優先順位 | 何か | 主な物 |
|---|---|---|
| 1 | 健康や命に関わる物 | 療法食、薬、フード、水、キャリーバッグやケージ、予備の首輪、伸びないリード、ペットシーツ、排せつ物の処理用具、トイレ用品、食器 |
| 2 | 情報 | 飼い主の連絡先、緊急時の連絡先や預け先、ペットの写真、ワクチンの状況、既往症、薬、検査結果、かかりつけの動物病院 |
| 3 | ペット用品 | タオル、ブラシ、ウェットタオル、ビニール袋、お気に入りのおもちゃ、洗濯ネット、ガムテープ、マジック |
犬と猫で違うところは?
- 犬:予備のリードは伸びないタイプにします。小型犬はリードを付けたうえでキャリーバッグやケージに入れます。
- 猫:使い慣れた猫砂か、使用済みの猫砂の一部を持っていきます。洗濯ネットは屋外での診察や保護のときに役立ちます。キャリーの扉が開かないよう、ガムテープで止めるとよいとされています。
- 小動物:キャリーバッグやケージは避難に欠かせない物とされています。
写真は紙とスマホの両方に用意します。環境省も、印刷物とともに携帯電話に保存することを挙げています。何匹もいる家は、全部のペットを連れて逃げられるよう準備しておくよう資料のメモにあります。誰がどの子のキャリーを持つかを決めましょう。
06普段のしつけで、何をしておけばいいですか?
避難先では、いつもと違う場所で、ほかの人や動物と過ごすことがあります。環境省のチェック項目をまとめました。
| 確かめること | 犬 | 猫 |
|---|---|---|
| ケージに入るのを嫌がらない | 必要 | 必要 |
| 決められた場所で排せつできる | 必要 | 必要 |
| 人や動物を怖がらない | 必要 | 必要 |
| 「待て」「おいで」「お座り」「伏せ」 | 必要 | ― |
| 不必要に吠えない | 必要 | ― |
| 狂犬病の予防接種(義務) | 必要 | ― |
| 各種ワクチン、寄生虫の予防や駆除 | 必要 | 必要 |
| 不妊去勢措置 | 必要 | 必要 |
| できる限り室内で飼う | ― | 必要 |
資料には、ケージに慣れていない犬に強いストレスがかかった例や、犬がペットシーツに排せつせず苦労した例が載っています。おやつをケージの中であげるなど、少しずつ慣らしましょう。シーツにも慣らしておくと、避難先で困りにくくなります。慣らし方の例はこのサイトの工夫です。わが家の子に合うやり方は、動物病院などに相談してください。
猫は、放し飼いだと災害時に行方不明になることが多いとされています。外に出る猫は特に、室内で過ごせるようにしておきましょう。
07迷子になったときのために、何をしておけばいいですか?
- 犬:首輪と迷子札、鑑札、狂犬病予防注射済票、マイクロチップ。
- 猫:首輪と迷子札、マイクロチップ。
鑑札と注射済票の装着は、飼い犬では法律で義務づけられています。マイクロチップを入れたら、飼い主の情報を登録するのを忘れないようにします。保護されたペットは、自治体、警察、動物病院などでチップを読み取り、飼い主に連絡が届く仕組みです。
猫の首輪は、ひっかかりを防ぐために力がかかると外れるタイプがよいと言われています。その場合は、マイクロチップの装着が強くすすめられています。すぐに見つからないときは、自治体へ届け出ます。環境省の流れの図にも書かれています。
08避難所にペットと一緒に入れますか?
同行避難なら、同じ部屋で一緒にいられますか?
同行避難は一緒に避難する行動のことです。同じ部屋で過ごせるとは限らないので、市区町村の案内を確かめましょう。
そなえ避難所のルールに従います。地域で違うので事前に調べましょう。
地域と避難所によって違います。ここは事前に調べる必要があります。国の防災基本計画も、飼い主が同行避難や避難所での飼い方を準備することを、広く伝える事項に挙げています。
環境省の説明では、「同行避難」はペットと一緒に避難する行動のことです。避難所で人と同じ部屋で飼えるという意味ではありません。環境省の図では、避難所の中の過ごし方として次の例を挙げています。避難所のルールに従います。
- 人とペットが同じ部屋で過ごす
- 飼い主と、飼っていない人に分かれて、それぞれの部屋で過ごす
- ペットは別の部屋で過ごす
- ペットは敷地内の屋外で過ごす
避難所では、動物が苦手な人への配慮も必要です。ふんの放置や毛の飛び散りが、ほかの避難者とのトラブルになった例もあります。排せつ物の処理用具とブラシを用意し、飼い主同士で助け合いましょう。
事前に確かめること
- ハザードマップで、家のまわりの危険な場所を知る。
- ペットを受け入れる指定避難所を調べる。
- 避難所までの時間と、ガラスや看板が落ちてきそうな場所を確かめる。
- 通れないときの別の道を確かめる。
- 避難所が被災したときの、次の避難先を考えておく。
- ペットを連れて行けないときの、避難先や預け先を考えておく。
できれば一度、ペットと一緒に歩いてみましょう。環境省も、避難訓練で慣れない場所でのペットの反応を見ることを挙げています。キャリーの重さも実感できます。犬はリードを付け、首輪がゆるんでいないか、鑑札を付けているかも確かめて出ます。
09留守中に災害が起きたら、どうすればいいですか?
外出中に地震が起きたら、すぐ家に戻るべきですか?
まず自分の安全を守ります。帰れないときに備えて、家族や知人に保護を頼めるよう決めておきましょう。
そなえ環境省は、家族や地域で話し合っておくことを挙げています。
- 連絡方法と集合場所を決める。
- 誰がペットを避難させるか、役割を決める。
- ペットだけが家にいるときにどうするかを決める。
- 親戚や友人など、複数の預け先を探しておく。
- 物資の持ち寄りや共同で世話をすることを、地域で申し合わせておく。
環境省の流れの図では、帰宅できないときは、家族や知人に保護を頼み、自分は避難する流れが示されています。資料には、東日本大震災で避難後に自宅へペットを連れに戻り、津波に巻き込まれた例も記されています。まず自分の安全を守ることが、結果としてペットを守ることにつながります。津波や土砂災害の危険があるときは、公的機関の呼びかけと市区町村の案内に従ってください。
10家の中では、何を見直せばいいですか?
環境省の資料は、家具やケージの固定、転倒や落下の防止を挙げています。過去の災害では、床一面に飛び散ったガラスで、人もペットも足をけがした例がありました。Aさんの例でも、家具の固定とガラスの飛散防止フィルムでけがを防いでいます。
- 家具とケージを固定する。
- 外で飼っている場合は、塀やガラス窓の近くを避ける。
- ケージなど、ペットが隠れられる場所を確保する。
11避難が長くなったときは、どうすればいいですか?
環境省の資料には、次の過ごし方が挙げられています。
| 過ごし方 | 気をつけること |
|---|---|
| 避難所で飼う | 避難所のルールに従い、飼い主が責任を持って世話をする |
| 自宅で飼う | 家の安全を確かめる。物資や情報は必要に応じて避難所へ取りに行く |
| 車の中で飼う | ペットだけを残すときは車内の温度に常に注意し、十分な飲み水を用意する。長く離れるときは安全な場所へ移す。エコノミークラス症候群に注意する |
| 知人や施設に預ける | 遠方の知人も考えておく。施設は条件、期間、費用を確かめ、覚書などを取り交わす |
ペット用のシェルターでは、ワクチンの接種や寄生虫の駆除が利用の条件になる例も紹介されています。普段から済ませておくと、すぐに預けられます。また、民間の借り上げ仮設住宅ではペットが飼えない場合もあります。長引くときの預け先も、早めに考えておきましょう。
12確かめる先・相談先
- ペットを受け入れる避難所:お住まいの市区町村の防災の窓口
- はぐれたときの届け出:お住まいの市区町村など、自治体の窓口
- 療法食、持病、ワクチン:かかりつけの動物病院
- マイクロチップの登録:登録先の案内と、かかりつけの動物病院
- 備えの全体:環境省「人とペットの災害対策ガイドライン」
よくある質問
ペットのフードは何日分必要ですか?
環境省の目安は、少なくとも5日分、できれば7日分以上です。療法食は手に入りにくいことがあるので、動物病院に相談して多めに置きましょう。
避難所でペットと同じ部屋で過ごせますか?
避難所によって違います。同行避難は一緒に避難する行動のことで、同じ部屋で過ごせるという意味ではありません。受け入れの決まりを市区町村に確かめましょう。
猫は首輪をしていなくても大丈夫ですか?
環境省は、猫でも首輪と迷子札、マイクロチップを挙げています。外れるタイプの首輪なら、マイクロチップの装着が強くすすめられています。
外出中に地震が起きたら、すぐ戻るべきですか?
まず自分の安全を確保してください。津波などの危険があるときは、公的機関の呼びかけに従います。留守中の対応を、家族や知人と決めておきましょう。
ペットを連れて車で避難してもいいですか?
環境省の資料は車の中で飼う場合の注意を挙げています。ペットだけを残すときは車内の温度に常に注意し、飲み水を用意します。人もエコノミークラス症候群に注意しましょう。
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