11月2日 防災庁が発足しました暮らしで変わることと、国の5つの要請

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政治・制度発表 2026.08.26掲載 2026.11.01

防災庁の概算要求は約652億円 何にいくら要求している?

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  • 一次資料 3 件
  • bichiku編集部
65,184百万円令和9年度の概算要求額決定ではない
2.99倍前年度の予算額との比較21,767百万円と比較
14,000百万円防災力強化総合交付金前年度3,500百万円
22,550百万円防災技術の推進など前年度49百万円

SUMMARY

要点をまとめると

01防災庁関係の令和9年度概算要求は65,184百万円(約652億円)で、前年度の約3倍です。

02ただし要求額であり、予算として決まったものではありません。

03大きな項目は防災技術の推進費と自治体向けの交付金です。

04家庭の手続きが変わる話は資料にありません(2026年11月1日時点)

TO DO

今すぐやること

  1. 1金額は要求額で、決定ではないと知っておく
  2. 2住んでいる市町村の避難所や備蓄の計画を見てみる
  3. 3家庭の備えは今までどおり続ける
  4. 4予算が決まったら国の発表で確かめる

そもそも概算要求とは?

次の年度の予算について、役所が必要な金額を求めて出す要求です。

たとえるなら家の来年の予定を立てるときに「これくらい必要」と見積もって家族に相談する段階に近いものです。

  1. 1役所が要求をまとめる取り組みごとに金額を示す
  2. 2予算編成で話し合う金額が変わることがある
  3. 3国会で決まる審議を経て予算になる

内閣官房の資料をもとに、仕組みをやさしく言い換えています。

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この記事の流れ

防災庁の概算要求は約652億円 何にいくら要求している?

読者

652億円はもう使えるお金ですか?

いいえ、役所が出した要求額です。これからの予算編成と国会での審議を経て決まります。

そなえ

「防災庁に652億円」という数字を見ると、もう使い道が決まったように感じるかもしれません。「それだけあれば避難所はすぐ良くなるの?」「私たちの負担や手続きは変わるの?」と気になる人もいるでしょう。

この記事では、内閣官房防災庁設置準備室の「令和9年度 防災庁関係 予算概算要求・税制改正要望等概要」(令和8年8月)を2026年11月1日時点で確かめました。この数字はあくまで要求額です。決まった予算ではないことを先にお伝えします。

01この記事でわかること(3行まとめ)

  • 要求額は65,184百万円(約652億円)です。前年度の21,767百万円と比べて2.99倍です。ただし決定ではありません。
  • 大きいのは防災技術と自治体向けの交付金です。防災技術の推進に22,550百万円、防災力強化総合交付金に14,000百万円を要求しています。
  • 家庭向けの給付や手続きの話ではありません。国や自治体の体制づくりが中心なので、家の備えは今までどおり続けましょう。

02概算要求とは?予算が決まったということ?

読者

652億円はもう使えるお金ですか?

いいえ、役所が出した要求額です。これからの予算編成と国会での審議を経て決まります。

そなえ
1今役所が要求する65,184百万円をまとめた段階
2次予算編成金額はここで変わることがある
3その後国会で審議最終的な予算が決まる

この記事の金額は要求額です。

概算要求とは、次の年度の予算について、役所が「これだけ必要です」と出す要求のことです。金額が認められたわけではありません。最終的な予算は、これからの予算編成と国会での審議を経て決まります。

そのため、この記事の数字は今後変わることがあります。見出しだけを見て「652億円が使われる」と受け取らないよう注意してください。

また、資料の表には次の注意書きがあります。読むときに見落としやすい点です。

  • 65,184百万円にはデジタル庁の一括計上分が含まれます。これを除いた防災庁所管の要求額は63,834百万円です。
  • 別に東日本大震災復興特別会計の635百万円があります。
  • 第1次国土強靱化実施中期計画にもとづく取り組みの経費などは、金額を示さない「事項要求」で、予算編成の過程で検討します。

つまり、約652億円が防災庁に関係する国のお金のすべてではありません。また、資料には、個別の行政分野の防災対策は引き続き各府省庁で行うと書かれています。防災に使われる国のお金を全部足した数字ではない、と考えてください。

03前年度の約3倍とはどういうこと?

資料の総括表では、前年度の予算額を21,767百万円として、倍率を2.99倍としています。ただし、比較のもとになる数字はもう1つあります。令和7年度補正予算のうち事項要求を行うものや、災害救助などの負担金・補助金を除く恒常的な経費を加えた額として25,268百万円が示され、こちらとの倍率は2.58倍です。

比べる相手金額倍率
前年度の予算額21,767百万円2.99倍
恒常的な経費を加えた額25,268百万円2.58倍

要求額のうち40,174百万円は『「強く豊かな日本」投資枠』という枠で要求しています。増えた部分の多くは、この枠を使った要求です。投資枠の中心は、後で説明する防災技術の推進費(22,500百万円)と交付金(10,500百万円)です。

04防災庁の概算要求の内訳は?何にいくら?

資料は、防災庁が担う取り組みを11に分けています。金額の単位は百万円です。100百万円が1億円にあたります。

取り組み要求額(百万円)
防災技術の研究開発・実装、防災産業の発展22,550
大規模災害に対する事前防災の推進17,202
円滑かつ迅速な災害緊急事態対処8,841
被災者に寄り添った支援体制の構築4,356
デジタル防災技術の徹底活用2,379
国際防災協力の推進1,680
体系的な人材育成システムの充実・強化497
国民の行動変容を促す普及啓発・防災教育321
戦略的な防災情報発信148
産官学民連携体制の構築148
早期の復旧・より良い復興の実現37
その他(一般事務処理経費等)7,026

計数は四捨五入のため、足し算が合計と一致しない場合があると資料に書かれています。

05自治体向けの交付金は何に使う?

事業1防災力強化支援リスク評価や感震ブレーカーの取り組み
事業2広域連携推進応援用の資機材や合同訓練
事業3被災者支援体制避難所の訓練や関係団体の協議

事前防災の中で最も大きいのが、防災力強化総合交付金の14,000百万円です。前年度は3,500百万円で、倍率は4.00倍です。交付金とは、国が決まった目的のために自治体へ渡すお金のことです。資料は次の3つの事業を挙げています。

  • 防災力強化支援事業:地域レベルのシミュレーションによる災害リスク評価など、先進的な取り組みを支援します。火災の延焼シミュレーションなどを使って感震ブレーカーの効果を確かめ、設置を促す取り組みも入っています。
  • 広域連携推進事業:ほかの自治体を支援するための資機材や車両の整備、合同訓練などを支援します。
  • 被災者支援体制整備加速化事業:避難所の資機材を使った訓練や研修、住民への周知、関係団体の協議の場づくりを支援します。

都道府県が市区町村の間を調整して「地域防災力強化総合整備計画」を作り、国が費用の一部を補助する形です。実際にどんな取り組みが行われるかは地域ごとに違うので、関心がある人は都道府県や市町村の発表を見てください。

06避難所や物資の支援はどう変わる?

読者

これで避難所はすぐ良くなりますか?

事例集の作成や訓練の支援などを要求している段階です。すぐ全国で変わるという説明はありません。

そなえ

暮らしに近い項目を、要求額とあわせて見ていきます。

項目要求額(百万円)前年度(百万円)
プッシュ型支援の充実等3,304750
災害救助法等に基づく各種補助3,7303,730
災害関連死の防止や避難生活環境の改善等392128
被災者生活の再建のための制度運用・自治体支援234190

プッシュ型支援とは、被災地からの要請を待たずに国が物資を送ることです。資料は、令和8年熊本地震を踏まえて課題を把握し、運用を改善するとしています。分散備蓄拠点を新たに5か所程度整備すること、酷暑期や厳冬期の発災に備えて熱中症対策や寒さ対策の物品を備蓄に加えることも書かれています。

避難生活の分野では、避難所の環境改善の取り組み事例集の作成、炊き出しに加えて生活用水やペット防災なども含めた官民連携のモデル、個別避難計画の作成支援、災害ケースマネジメントの普及を挙げています。個別避難計画とは、自力で避難するのが難しい人ごとに避難の方法を決めておく計画です。災害ケースマネジメントとは、被災した人一人ひとりの状況に応じて支援につなげる取り組みです。支援の漏れや災害関連死の防止につながると説明されています。

被災者の生活の再建の分野では、デジタル技術を使った被害認定調査のあり方の検討、罹災証明コーディネーター派遣制度の運用の検証が入っています。罹災証明書は、住まいの被害の程度を市町村が証明する書類です。

07防災技術に225億円は何のため?

11テーマを決める必要な技術を選ぶ
22公募と審査民間の技術を第三者機関が評価
33支援と認証開発の支援、製品の認証
44導入を進めるカタログ化と公共調達

最も大きい要求は、防災技術の研究開発・実装と防災産業の発展で、22,550百万円(約225億円)です。前年度の49百万円から456.18倍で、22,500百万円が投資枠です。

中身は「防災技術・産業成長投資総合推進費(仮称)」の創設です。仕組みはおおむね次の順番です。

  1. 技術開発が求められるテーマを決める
  2. 関係省庁が民間から技術や製品を公募し、第三者機関が審査・評価する
  3. 研究開発を支援したり、製品を認証したりする
  4. 認証した技術や製品をカタログにまとめる
  5. 公共調達などで現場への導入を進める。日本企業の海外展開も支援する

この段階では「仮称」で、要求の段階です。どの製品が認証されるといった話ではありません。「国が認めた防災グッズ」といった宣伝を見かけたときは、公式の発表で確かめましょう。

08災害が起きた直後の対応には何が入っている?

発災の直後に国が動くための費用として「円滑かつ迅速な災害緊急事態対処」に8,841百万円を要求しています。主な内容は次のとおりです。

  • 中央防災無線の整備・維持管理(3,161百万円):大きな災害のときに官邸や省庁、公共機関などをつなぐ専用の通信網です。古くなった設備の更新や、新しくできる防災局との通信の確保が含まれます。
  • 国の指揮・通信・活動の拠点の確保(749百万円):施設の維持管理や改修に加え、防災局の設置に向けて令和9年度から検討と準備を進めると書かれています。
  • 応急対策と救援の体制づくり(1,266百万円):AIを使った災害対応の調査研究、現地に派遣する職員のトイレ・キッチン・ベッドの資機材の充実などです。
  • 船舶を使った医療の体制づくり(361百万円):資料によると、令和8年1月に運用が始まり、令和8年熊本地震で初めて実施されました。人材の育成などを続けます。

事前防災の分野では「事前防災対策総合推進費」に2,300百万円(前年度1,700百万円)を要求しています。防災庁が重点の課題を示し、各府省庁から提案を募り、予算を移して対策を進める仕組みです。例として、AIなどを使った線状降水帯の予測の精度向上の調査研究が挙げられています。

09情報発信や防災教育には何が入っている?

私たちが直接目にしそうな取り組みも少し入っています。

  • 国民運動(70百万円):防災推進国民大会(ぼうさいこくたい)の開催、津波防災・火山防災の普及啓発、地区防災計画の作成促進、こども向けの防災教育プログラムの作成など。
  • 戦略的な防災情報発信(148百万円):前年度にない新しい項目です。
  • 人と防災未来センター(251百万円):阪神・淡路大震災などの経験を伝える施設の運営費の2分の1を補助します。
  • 被災状況を把握する「鳥の目プロジェクト」(150百万円):人工衛星、航空機、ドローンなどの情報を使う仕組みづくりです。自治体への聞き取りで、夜間の情報の空白などの課題が明らかになったと書かれています。

地区防災計画とは、地域の住民が自分たちの地域の災害の危険にもとづいて作る計画です。町内会などで取り組みの話があれば、参加してみるのも1つの方法です。

税の要望は何がある?

資料には税制改正の要望も載っています。津波避難施設に関する固定資産税の特例の延長、鉄道の耐震対策に関する特例の延長、令和2年7月豪雨の被災住宅用地などに関する特例の延長などです。これも要望の段階で、決まったものではありません。

令和2年7月豪雨の被災地については、公共事業が終わっていないなどの事情で、令和8年度中に住宅の再建が終わらない見込みの人がいるため、負担の軽減を続ける必要があると説明されています。対象になりそうな人は、市町村の税の窓口で確かめてください。

10私は今、何をすればいい?

読者

家庭で手続きは必要ですか?

確かめた資料に、家庭への給付や新しい手続きの話はありません。家の備えを続けましょう。

そなえ
要求額と知る決定ではない
地域の計画避難所や備蓄を見てみる
家の備え今までどおり続ける
国の発表予算が決まったら確かめる
  • 金額は要求額で、決定ではないと知っておく
  • 住んでいる市町村の避難所や備蓄の計画を見てみる
  • 家庭の備えは今までどおり続ける
  • 予算が決まったら国の発表で確かめる

確かめた資料に、家庭への給付や新しい手続きの話はありません。国の体制づくりが進んでも、発災の直後にまず自分の身を守る必要があることは変わらないので、家の備えを止めないようにしましょう。

11確かめる先・相談先

  • 要求の全文:内閣官房「防災庁設置準備」のページの「予算等の概要」
  • 地域の取り組み:お住まいの都道府県と市区町村の防災担当
  • 税の特例:市区町村の税の窓口

よくある質問

防災庁の予算は652億円に決まったのですか?

決まっていません。65,184百万円は令和9年度の概算要求額です。

前年度と比べてどれくらい増えていますか?

資料では前年度の予算額21,767百万円に対して2.99倍です。恒常的な経費を加えた25,268百万円と比べると2.58倍です。

いちばん大きな項目は何ですか?

防災技術の研究開発・実装、防災産業の発展の22,550百万円です。

私たちに給付金が出ますか?

確かめた資料に、家庭への新しい給付の話はありません。

避難所の改善には使われますか?

避難所の取り組み事例集の作成や訓練の支援などが要求に入っています。要求の段階なので、決定内容は国の発表で確かめてください。

次にやること

出典(3件)

公的機関などの資料をもとに編集部がまとめました。専門家の監修は受けていません。

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