SUMMARY
要点をまとめると
01令和8年8月千葉豪雨は、8月13日から14日に千葉県で起きた豪雨です。
02線状降水帯が発生し、千葉市では24時間で367.0ミリを観測しました。
039月9日12時時点の速報で、亡くなった方は13人、住家被害は6,258棟です。
04国は内水氾濫の対策を話し合う検討会を開いています(2026年11月1日時点)。
TO DO
今すぐやること
- 1自宅と職場の周りの浸水のおそれをハザードマップで見る
- 2地下、アンダーパス、低い土地を通らない帰り道を決めておく
- 3レベル3やレベル4の段階で避難を考える、と家族で話しておく
- 4雨が強まる前に、キキクルの見方をスマホで試しておく
そもそも内水氾濫とは?
都市に降った雨が、川などへ排水できずに起きる浸水です。
たとえるなら排水口が追いつかないシンクに、水がたまっていくようなものです。
- 1強い雨が降る短い時間に多くの雨が町に降ります。
- 2流しきれなくなる雨を川などへ流しきれなくなります。
- 3低い所にたまる低い土地や地下などに水がたまります。
国土交通省「下水道による浸水対策」と気象庁「新たな防災気象情報 よくある質問」の説明をやさしくしました
この記事をスライドで理解する(6枚)
1 / 6千葉豪雨(令和8年8月)の被害と教訓 9月9日時点の数字
1時間115.0ミリは、どのくらいの雨ですか?
千葉で観測史上1位を更新した雨です。千葉市では、8月の平年の1か月の雨の3倍以上を24時間ほどで観測しました。
そなえ令和8年8月千葉豪雨とは、どんな災害?
電気・水道・ガスはどう止まった?
川から離れていても水につかるのはなぜ?
まず、これだけ。
- 1自宅と職場の周りの浸水のおそれをハザードマップで見る
- 2地下、アンダーパス、低い土地を通らない帰り道を決めておく
- 3レベル3やレベル4の段階で避難を考える、と家族で話しておく
- 4雨が強まる前に、キキクルの見方をスマホで試しておく
2026年8月13日の夜、千葉県で記録的な大雨が降りました。「自分の町でも同じことが起きるのか」「川から遠いのに、なぜ水につかったのか」と気になっている方もいると思います。亡くなった方もいる災害なので、起きたことを数字と資料で落ち着いて整理します。
この記事は、内閣府、消防庁、気象庁、国土交通省の公式資料を2026年11月1日時点で確かめてまとめました。被害の数字は2026年9月9日12時時点の速報で、今後変わることがあります。
01この記事でわかること(3行まとめ)
- 雨:千葉市では24時間で367.0ミリ、1時間で115.0ミリを観測し、どちらも観測史上1位を更新しました。
- 被害:9月9日12時時点で、亡くなった方は13人、けがをした方は46人、住家の被害は6,258棟です。
- これから:低い土地にたまる水(内水氾濫)や車の水没が課題になり、国は検討会で対策を話し合っています。
02令和8年8月千葉豪雨とは、どんな災害?
気象庁は8月14日、この大雨に「令和8年8月千葉豪雨」という名前を付けました。名前を付けるのは、災害のあとの対応をしやすくし、経験や教訓を後の世代に伝えるためです。9月16日の追記で、期間は8月13日から14日とされました。
気象庁の説明では、13日は関東の内陸で日中の雨や雷雨により冷たい空気ができ、少しずつ南へ進みました。千葉県の付近で、暖かく湿った空気がこの冷たい空気に乗り上げて、雨雲が発達しました。その結果、13日夕方から14日未明にかけて雨雲が同じ地域に停滞し、線状降水帯が発生しました。
線状降水帯とは、発達した雨雲が列をつくり、数時間ほぼ同じ場所を通ったり、とどまったりしてできる、線のように伸びた強い雨の範囲です。長さは50〜300km程度、幅は20〜50km程度とされています。
03どのくらいの雨が降った?
1時間115.0ミリは、どのくらいの雨ですか?
千葉で観測史上1位を更新した雨です。千葉市では、8月の平年の1か月の雨の3倍以上を24時間ほどで観測しました。
そなえ千葉市では、8月の平年の1か月の雨の3倍以上にあたる量を、1日ほどで観測しました。下の表は、気象庁の事例資料にある千葉県内の主な観測値です。
| 地点 | 1時間の最大 | 24時間の最大 |
|---|---|---|
| 千葉(千葉市中央区) | 115.0ミリ | 367.0ミリ |
| 佐倉(佐倉市) | 97.0ミリ | 274.5ミリ |
| 館山(館山市) | 94.5ミリ | 211.0ミリ |
| 茂原(茂原市) | 57.0ミリ | 247.5ミリ |
| 我孫子(我孫子市) | 61.0ミリ | 213.0ミリ |
1時間の雨では、千葉、佐倉、館山、船橋、我孫子の5地点が観測史上1位を更新しました。24時間の雨では、千葉が観測史上1位を更新し、佐倉、我孫子、館山、船橋が8月の1位を更新しました。千葉県では広い範囲で、24時間の雨が200ミリを超えました。
04レベル5の特別警報はいつ、どこに出た?
特別警報が出てから逃げれば間に合いますか?
レベル5は災害がすでに起きている可能性が極めて高い段階です。その前のレベル3、レベル4の段階で避難を考えてください。
そなえ特別警報は、警報の基準をはるかに超える現象に対して出る、最大級の警戒の呼びかけです。5段階の警戒レベルでは最も高いレベル5にあたり、何らかの災害がすでに起きている可能性が極めて高い状況を示します。
千葉県では、次の順番で発表されました。レベル5大雨特別警報は19市3町、レベル5土砂災害特別警報は6市が対象です。
| 発表の時刻 | 種類 | 対象 |
|---|---|---|
| 13日19時30分 | 大雨 | 千葉市、市川市、船橋市、松戸市、佐倉市、習志野市、柏市、市原市、八千代市、鎌ケ谷市、四街道市、白井市 |
| 13日19時50分 | 大雨 | 我孫子市、印西市 |
| 13日21時45分 | 大雨 | 東金市、八街市 |
| 13日21時55分 | 土砂災害 | 千葉市、市原市 |
| 13日22時15分 | 大雨 | 茂原市、大網白里市 |
| 13日22時40分 | 大雨 | 長柄町 |
| 13日23時40分 | 大雨 | 白子町 |
| 13日23時40分 | 土砂災害 | 茂原市、大網白里市 |
| 14日0時30分 | 大雨 | 山武市、九十九里町 |
| 14日0時30分 | 土砂災害 | 東金市、八街市 |
すべてのレベル5特別警報は、14日5時15分にレベル4以下へ切り替えられました。また13日夕方以降、気象防災速報(極端な現象を速報で伝える情報)として、線状降水帯直前予測が4回、線状降水帯発生が3回、記録的短時間大雨が25回発表されました。
05被害はどのくらい?(9月9日12時時点)
消防庁と内閣府の資料による、都道府県からの報告の数字です。これは速報で、今後変わることがあります。また、住家の棟数は、市町村の被害認定調査を受けた棟数と一致するとは限りません。
| 項目 | 合計 |
|---|---|
| 亡くなった方 | 13人 |
| 行方不明の方 | 0人 |
| けがをした方 | 46人(重傷2人、軽傷44人) |
| 全壊 | 12棟 |
| 半壊 | 2,183棟 |
| 床上浸水 | 1,054棟 |
| 床下浸水 | 2,736棟 |
| 一部破損 | 273棟 |
| 住家被害の合計 | 6,258棟 |
亡くなった方は千葉県で報告され、内訳は千葉市6人、市川市1人、佐倉市2人、柏市1人、市原市1人、八千代市1人、いすみ市1人です。住家の被害は、千葉県が6,220棟、埼玉県が38棟です。
9月9日11時20分時点では、千葉県の3自治体で11か所の避難所が開かれ、36人が身を寄せていました。発令されていた避難指示は、すべて解除されています。
土砂災害の数字
浸水が目立った災害ですが、土砂災害も起きました。国土交通省の9月8日19時時点の速報では、件数は305件で、すべてがけ崩れです。千葉県が304件、神奈川県が1件でした。人の被害はなく、人家の被害は全壊4戸、半壊5戸、一部損壊44戸です。この数字も確認中のものを含み、変わる可能性があります。
被害の数字は、なぜ途中で変わった?
災害の直後の数字は、調査が進むと変わります。千葉豪雨でも、8月19日と9月9日の報告で大きな違いがあります。下の表は、8月19日10時の消防庁のまとめ(気象庁の事例資料に記載)と、9月9日12時の報告の数字です。
| 項目 | 8月19日10時 | 9月9日12時 |
|---|---|---|
| 行方不明の方 | 1人 | 0人 |
| けがをした方 | 37人 | 46人 |
| 全壊 | 3棟 | 12棟 |
| 半壊 | 14棟 | 2,183棟 |
| 床上浸水 | 1,106棟 | 1,054棟 |
| 床下浸水 | 1,234棟 | 2,736棟 |
半壊が大きく増え、床上浸水は少し減っています。資料に増減の理由は書かれていません。ただ、「はじめの数字が被害の全体ではない」ことは、この表から分かります。これから災害の数字を見るときは、いつの時点の数字かを見るようにしてください。
06電気・水道・ガスはどう止まった?
9月9日時点の資料による
9月9日時点の資料では、下のいずれも復旧済みと報告されています。止まった期間を知っておくと、家の備えを考える目安になります。
- 電気:関東地方で最大46,980件の停電がありました(13日22時時点)。14日22時47分に、蘇我変電所の水没による停電が解消しました。
- 水道:千葉市で最大約100戸が断水しました。期間は8月14日から19日で、原因は水道管の破損です。
- 都市ガス:安全上の理由で、八千代市と佐倉市の一部の12,891戸で供給を止めました。8月15日に全戸で再開しました。
- 下水道:千葉市、八千代市、茂原市などで、汚水を送るポンプ場が浸水して止まりました。いずれも応急復旧済みです。
- 医療機関:千葉県内の25施設に被害があり、最も多いときで22施設が浸水しました。9月9日11時時点で、被害が続いているのは1施設です。
07車と交通では何が起きた?
内閣府の9月11日のまとめは、住宅の浸水、帰宅できない人の発生、多数の車両の水没を挙げています。水没した車が道に残ると、緊急車両の通行の妨げになります。千葉県と千葉市は8月14日8時に、緊急車両の通行を確保するため、法律にもとづく区間の指定をしました。
国や県はレッカー車などを派遣して、車を動かしました。国、県、千葉市が管理する道路では8月22日に、その他の市町でも8月31日に、路肩に残る車を含めて撤去が終わりました。
再発を防ぐ取り組みも始まっています。国道16号のアンダーパス(立体交差で道路が低くなっている所)では、冠水のおそれが高まった段階で通行を止める取り組みを9月1日に始めました。さらに、冠水のリスクが高い全国の他の6か所でも、9月4日に始めています。
仕事で車を使う人にも影響が出ました。資料では、タクシーは64事業者(個人タクシーを含む)で車の水没や設備の損壊などがあり、千葉県内ではトラックの12事業者、バスの6事業者でも車両などの被害が報告されています。
大雨の時の車の注意点は、国が8月26日にチラシにまとめました。車はわずか30cm程度の浸水でも走れなくなる場合があるとされています。
帰宅できなかった人はどのくらいいた?
夜の大雨で、交通にも大きな影響が出ました。内閣府の資料から、主なものを並べます。
- JR蘇我駅の周辺:約4,000人が帰宅できなくなりました。千葉県知事の要請で自衛隊が14日に出動し、蘇我駅から千葉県文化会館まで約370名を運びました。
- 成田国際空港:8月14日3時時点で6,880名が空港にとどまりました。14日9時時点で解消しています。
- 空の便:成田では13日に6便、14日に28便、15日に4便が欠航しました。大雨以外の理由を含む数字です。
- 鉄道:小湊鉄道の小湊鉄道線では土砂の流入などがあり、9月9日時点でも月崎駅から上総中野駅の間で運転を見合わせていました。
帰宅の途中で大雨にあうと、駅や空港で一晩を過ごすこともあります。外出が多い人は、モバイルバッテリーや飲み物を持ち歩くと、こうしたときに役立ちます。
08川から離れていても水につかるのはなぜ?
近くに川がなければ安心ですか?
安心とは言えません。都市に降った雨が排水できずに起きる内水氾濫があるからです。
そなえ浸水には2つの種類があります。国土交通省は、都市に降った雨が川などへ排水できずに起きるものを「内水氾濫」、川からあふれて起きるものを「外水氾濫」と説明しています。
内閣府のまとめは、この豪雨で内水氾濫などにより大きな被害が出たとしています。国土交通省の資料では、8月31日13時30分時点で、国が管理する川の氾濫による被害情報はありません。一方、千葉県が管理する17の川で浸水被害が確かめられています。
つまり、「近くに大きな川がないから大丈夫」とは言えません。低い土地、地下、アンダーパスは、雨の水が短い時間でたまることがあります。ただし、個別の場所で浸水が起きた原因は、この記事で取り上げた資料からは決められません。
09国はどんな対策を進めている?
内閣府は9月11日に「令和8年8月千葉豪雨等への対応」を公表しました。生活やなりわいの再建の支援と、次の豪雨への対策の2本立てです。
- 暮らしの支援:ホテルや旅館への避難の支援、罹災証明書の早期交付のための人の支援、応急仮設住宅、住宅の応急修理、浸水したマンションの電源などの復旧の支援があります。
- 住まいの確保:9月9日時点で、災害救助法が適用された25市町すべてで、賃貸型の応急住宅の受付を始めています。
- 農地などの復旧:8月22日に、激甚災害(国が特別に復旧を支援する災害)に指定する見込みが示されました。農地の復旧の国の補助率は、過去5か年の平均で86%から97%に上がります。
- 次の豪雨への対策:「令和8年8月千葉豪雨等を踏まえた内水氾濫対策検討会」を開きます。内水氾濫のときの避難、情報の出し方、都市型の水害を減らす対策、アンダーパスへの進入を防ぐ対策が話し合う内容です。
検討会の第1回は9月11日で、資料では第2回が10月頃、そのあと数回話し合って冬頃にまとめる予定です。決まった内容は公開後に確かめてください。
10自分の町で同じ雨が降るとしたら、何を確認する?
- 自宅、職場、学校が浸水や土砂災害のおそれがある場所かどうかを、ハザードマップで見ます。
- 川の近くだけでなく、周りより低い土地かどうかも見ます。
- 帰宅できなくなったときの連絡方法と、家族の迎えの決まりを話しておきます。
- 市町村の警戒レベル3高齢者等避難、警戒レベル4避難指示で動く、と決めておきます。レベル5は、すでに安全な避難が難しい段階です。
- レベル3やレベル4の情報が出たら、キキクル(危険度を色で示す気象庁の地図)で、今いる場所の危険度を見ます。
- 車で移動する予定の道に、アンダーパスや地下へ下りる道がないかを見ます。
11確かめる先・相談先
- 被災の手続きや支援:住んでいる市町村の窓口。受けられる支援は災害の規模や被害で変わります。
- 避難の判断:市町村が出す避難情報。気象庁の「キキクル」も合わせて見ます。
- 浸水のおそれ:市町村のハザードマップ、国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」。
- 最新の被害の数字:内閣府「防災情報のページ」の災害情報、消防庁の災害情報。
よくある質問
令和8年8月千葉豪雨の期間はいつですか?
8月13日から14日です。気象庁が9月16日に追記して期間を示しました。
亡くなった方は何人ですか?
9月9日12時時点の速報で13人です。今後変わることがあります。
住家の被害は何棟ですか?
9月9日12時時点の速報で、全国の合計は6,258棟です。千葉県が6,220棟、埼玉県が38棟です。
どこに特別警報が出ましたか?
レベル5大雨特別警報が千葉県の19市3町に、レベル5土砂災害特別警報が千葉県の6市に出ました。14日5時15分にレベル4以下へ切り替えられました。
内水氾濫と川の氾濫はどう違いますか?
内水氾濫は、都市に降った雨が川などへ排水できずに起きる浸水です。外水氾濫は、川からあふれて起きる浸水です。
次にやること
出典(12件)
- 消防庁「令和8年8月千葉豪雨による被害及び消防機関等の対応状況(第20報)」
- 内閣府「令和8年8月千葉豪雨による被害状況等について(令和8年9月9日12:00現在)」
- 内閣府「令和8年8月千葉豪雨等への対応」
- 気象庁「令和8年8月13日に千葉県にレベル5大雨特別警報やレベル5土砂災害特別警報を発表した事例」
- 気象庁「令和8年8月13日からの千葉県の豪雨の名称について」
- 国土交通省「令和8年8月千葉豪雨に関する土砂災害発生状況(9月8日19:00時点)」
- 気象庁「予報用語 降水」
- 気象庁「特別警報について」
- 気象庁「防災気象情報と警戒レベルとの対応について」
- 国土交通省「下水道による浸水対策」
- 内閣府ほか「レベル5大雨特別警報が発表されたときの車運転の注意点」チラシ
- 気象庁「新たな防災気象情報 よくある質問」
公的機関などの資料をもとに編集部がまとめました。専門家の監修は受けていません。

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