SUMMARY
要点をまとめると
01レベル5大雨特別警報が出たら、むやみに移動せず、今いる場所より安全な場所で身を守ります。
02車はわずか30cm程度の浸水でも走れなくなる場合があります。
03浸水が心配なときは車での移動を控え、やむを得ず使うときも冠水した道路を避けます。
04動くのは警戒レベル4までが基本です(2026年11月1日時点)。
TO DO
今すぐやること
- 1通勤や買い物の道にあるアンダーパスと低い道を調べる
- 2大雨の予報が出たら、車で出かける予定を見直す
- 3冠水した道路には入らないと家族で決めておく
- 4脱出用ハンマーをすぐ手が届く位置に置く
- 5自宅の浸水のおそれをハザードマップで見る
そもそもレベル5大雨特別警報とは?
大雨による災害がすでに起きている可能性が極めて高いことを伝える、最も高い段階の情報です。
たとえるなら火事でいえば、もう煙が廊下に回っている段階です。逃げ道を選ぶ余裕が少なくなっています。
- 1レベル3、レベル4早めの避難を考え、危険な場所から離れる段階です。
- 2レベル5すでに安全な避難が難しく、命が危険な状況です。
- 3行動むやみに移動せず、今より安全な場所へ移ります。
内閣府ほか「レベル5大雨特別警報が発表されたときにとるべき行動」と気象庁「防災気象情報と警戒レベルとの対応について」をやさしくしました
この記事をスライドで理解する(6枚)
1 / 6大雨特別警報のとき車はどうする?30cmの浸水の危険と注意点
30cmなら、大きな車なら平気ではないですか?
チラシは、車はわずか30cm程度の浸水でも走れなくなる場合があるとしています。水の中へ入らないことが基本です。
そなえレベル5大雨特別警報が出たら、どうすればいい?
30cmの浸水で、車には何が起きる?
避難に車を使ってもいい?
まず、これだけ。
- 1通勤や買い物の道にあるアンダーパスと低い道を調べる
- 2大雨の予報が出たら、車で出かける予定を見直す
- 3冠水した道路には入らないと家族で決めておく
- 4脱出用ハンマーをすぐ手が届く位置に置く
大雨のなか、車で帰ろうとしている。道に水が出てきたけれど、まだ通れそうに見える。そんなとき、進んでいいのか、車を置いて逃げるべきなのか、迷う方は多いと思います。千葉豪雨では多数の車が水没しました。
この記事は、内閣府、警察庁、消防庁、国土交通省、気象庁が2026年8月26日に公表したチラシと関連する公式資料を、2026年11月1日時点で確かめてまとめました。実際の判断は、市町村の避難情報や現地の状況を優先してください。
01この記事でわかること(3行まとめ)
- 行動:レベル5大雨特別警報は、すでに安全な避難ができない状況です。むやみに移動せず、今いる場所より安全な場所へ移ります。
- 車:わずか30cm程度の浸水でも走れなくなる場合があり、水圧でドアが開かなくなることもあります。
- 事前:避難は警戒レベル4までに。徒歩や早めの避難を心がけ、冠水した道路には入らないようにします。
02なぜ国は車の注意点をチラシにした?
令和8年8月千葉豪雨を受けて、内閣府、警察庁、消防庁、国土交通省、気象庁の国の5機関が、2枚のチラシを作りました。「レベル5大雨特別警報が発表されたときにとるべき行動」と「レベル5大雨特別警報が発表されたときの車運転の注意点」です。8月26日の午前11時に、内閣府のホームページで公開されました。
内閣府の9月11日のまとめは、千葉豪雨の影響として、住宅の浸水、帰宅できない人の発生、多数の車両の水没を挙げています。また、大雨特別警報のときの運転について緊急に情報を出したことも記しています。資料では、タクシーは64事業者(個人タクシーを含む)で車の水没や設備の損壊などが報告され、道路に残った車の撤去は8月31日までかかりました。
車の水没の危険は、今回が初めての話ではありません。国土交通省は、令和元年の台風第19号などの大雨で、車が水没するなどして運転者や同乗者が亡くなる事故が相次いだとして、以前から注意を呼びかけています。
03「大雨特別警報」は何を知らせる情報?
2026年5月29日から、大雨の情報の名前が変わりました。「レベル3大雨警報」「レベル4大雨危険警報」「レベル5大雨特別警報」のように、名前に警戒レベルの数字が付いています。
気象庁の説明では、大雨の災害には、大きく3つあります。川からあふれる氾濫、土砂災害、そして低い土地や地下街などに雨がたまる浸水です。大きな川の氾濫と土砂災害には別の情報があり、「大雨」の情報は、大きな川以外の氾濫と、低い土地の浸水を扱います。車の水没と関わりが深いのは、この低い土地の浸水です。
特別警報は、警報の基準をはるかに超える現象に対して出ます。気象庁は、特別警報が出ないからといって安心しないよう呼びかけています。
04レベル5大雨特別警報が出たら、どうすればいい?
チラシは、レベル5大雨特別警報が出ているときを「すでに安全な避難ができず、命が危険な状況」と説明しています。やることは次の4つです。
- むやみに移動しません。今いる場所よりも安全な場所へ移って、身の安全を確保します。
- 浸水した場所を車で移動しません。立ち往生して水没するおそれがあります。安全な場所で、状況が落ち着くまで待ちます。
- 川、用水路、冠水した所に近づきません。様子を見に行くことも避けます。
- 最新の情報を見ます。テレビ、ラジオ、インターネット、SNS、防災行政無線で確かめます。
特に、地下施設、アンダーパス(立体交差で道路が低くなっている所)、低い土地は、短い時間で浸水する危険があります。チラシは、浸水の深さが30cm以上となる低い土地にも注意を促しています。
0530cmの浸水で、車には何が起きる?
30cmなら、大きな車なら平気ではないですか?
チラシは、車はわずか30cm程度の浸水でも走れなくなる場合があるとしています。水の中へ入らないことが基本です。
そなえチラシは、車はわずか30cm程度の浸水でも走れなくなる場合があるとしています。国土交通省も「自動車は、水深が深い場所を走行できるように設計されていません」と説明しています。起きるおそれのあることは、チラシの図と国土交通省の資料で、次のように整理されています。
| 水の状況 | 起きるおそれのあること |
|---|---|
| マフラーから水が入る | エンジンが止まり、再び動かなくなる |
| 吸気口から水が入る | エンジンが止まり、再び動かなくなる(速度が大きいと水が入りやすくなる) |
| 水の深さが床面を超える | 電気の装置が傷み、自動スライドドアやパワーウインドウが動かなくなる |
| 水の深さがドアの下の端にかかる | 外の水圧で、内側からドアを開けにくくなる |
| 水の深さがドアの高さの半分を超える | 内側からほぼ開けられなくなる |
| タイヤが完全に水につかる | 車体が浮いて、動かすのが難しくなる |
| 水の流れがある | 車が流される |
影響は車の形や設計によって違い、車高が低い車は特に影響を受けやすいとされています。水の深さが床面より低くても、速度が大きいと車が巻き上げた水や波で、吸気口からエンジンに水が入るおそれがあります。電気自動車やハイブリッド車は、駆動用のバッテリーに水が入ると止まるおそれがあります。
「エンジンが動いているから大丈夫」とは限りません。走れなくなることに加えて、窓もドアも開かなくなるおそれがあることが、大事な点です。
06水が出ている道は、車で通っていい?
前の車が通れたら、ついて行ってもいいですか?
通らないでください。冠水した道路への進入は命に関わる危険があると、国のチラシが呼びかけています。
そなえチラシは「冠水した道路への進入は命に関わる危険があります」と書いています。道路に水がたまっている所へは入らないでください。国土交通省は、冠水した道路では路面が見えづらくなるとして、水の深さや道路の端が分からない場所(アンダーパスなど)には入らないよう呼びかけています。
- 水がたまっている道に出会ったら、別の道を探すか、安全な場所で待ちます。
- アンダーパスは、先が見えていても下りていかないようにします。
- 前の車が通れたからといって、続いて入らないようにします。
アンダーパスは、道路や鉄道と立体的に交差する下側の道路が、地中に掘り込まれた構造です。国土交通省関東地方整備局の注意喚起は、周囲より低いため雨水が急に集まると説明しています。冠水した所では側溝やマンホールのふたが外れているおそれもあり、車だけでなく、歩く人や自転車、バイクも無理に通らないよう呼びかけています。国道事務所などが冠水の注意箇所の地図を公開している地域もあるので、通勤の道を見ておくと役立ちます。
国道16号のアンダーパスでは、冠水のおそれが高まった段階で通行を止める取り組みが9月1日に始まりました。他の6か所でも9月4日に始まっています。こうした規制のない道もあるので、自分でも避ける判断が欠かせません。
07今いる場所ごとに、どう動く?
チラシの内容を、場面ごとに当てはめて整理します。実際には、周りの状況や市町村の案内に合わせて判断してください。
- 運転中に道路に水が出てきた:水のある道に入らず、別の道を探します。進めないときは、安全な場所で状況が落ち着くまで待ちます。
- 駐車場や職場にいて、帰るか迷う:浸水が心配なときは、車での移動を控えます。建物の中の安全な場所にとどまることも考えます。
- 自宅にいる:車を動かしに外へ出ることも、水の中へ入ることになります。今いる場所より安全な場所へ移ることを優先します。
- 地下の駐車場や地下の部屋にいる:地下は短い時間で浸水する危険があります。早めに地上へ移ります。
08避難に車を使ってもいい?
チラシは「浸水が懸念されるときは車での移動を控えてください」と呼びかけています。そのうえで、徒歩または早めの避難を心がけ、やむを得ず車を使う場合は冠水した道路を避けるように書いています。
高齢の家族を乗せて早めに動く場合など、車が必要な人もいると思います。その場合は、雨が強くなる前、水が出る前に動くことが前提です。自分の地域で車の避難をどう考えればよいかは、市町村の案内を確かめてください。
すでに周りが浸水しているときは、外へ出ること自体が危ない場合があります。気象庁は、指定された避難場所にこだわらず、川や崖から少しでも離れた、近くの頑丈な建物の上の階に移るなど、その時点で最善の行動をとるよう呼びかけています。
09もし車が水の中で動かなくなったら?
脱出用ハンマーがあれば安心ですか?
それだけでは安心できません。フロントガラスなどの合わせガラスは割れないので、まず水のある道に入らないことが大切です。
そなえ国土交通省は、冠水した道路で車が動かなくなった場合は、早めに脱出することが重要としています。万が一、車が水中に落ちてしまった場合の手順は、次のとおりです。
- 落ち着いて、シートベルトを外します。外れない場合は、シートベルトカッターなどで切ります。
- 窓を開けて脱出します。
- 窓が開かないときは割ります。水面より上にあるドアガラスまたはリヤガラスを、脱出用ハンマーなどで割ります。
- 割れないときは、水圧の差がなくなるのを待ちます。車の中と外の水の高さが同じになるまで水が入ると、内側からドアが開くようになります。
窓の種類には注意が必要です。国土交通省によると、フロントガラスと一部のドアガラスは合わせガラスで、脱出用ハンマーでは割れません。どの窓が該当するかは、メーカーに確かめておきます。ハンマーは運転席から手が確実に届く場所に置き、チラシもすぐに使える位置に置くよう書いています。
こうした手順は最後の手段です。いちばん大切なのは、水のある道に入らないことです。
10水につかった車は、そのあとどうする?
水が引いたあとにも注意があります。国土交通省は、水につかった車は外から見て問題がなさそうでも、感電事故や、電気系統のショートによる車両火災のおそれがあるとしています。
- 自分でエンジンをかけません。
- 使いたいときは相談します。買った販売店か、近くの整備工場に相談します。
- ハイブリッド車と電気自動車は特に注意します。高電圧のバッテリーを積んでいるので、むやみに触りません。
- 使うまでの間は、バッテリーのマイナス側のターミナルを外します。発火のおそれがあるためです。外した部分がバッテリーに触れないよう、テープなどで覆います。
千葉豪雨では、国土交通省が車の持ち主の情報を自治体に提供できることを通知するなど、道路に残った車の撤去を進めました。自分の車が道路に残っている場合は、市町村の案内を確かめてください。
11特別警報が出る前に、何をしておく?
- 警戒レベル4までに避難します。市町村が出す警戒レベル4避難指示までに動きます。チラシも、この点を呼びかけています。
- 早い段階から情報を見ます。レベル5大雨特別警報が出る前の段階から、最新の気象情報と避難情報を確かめます。
- ハザードマップを見ます。今いる場所に、川の氾濫や内水氾濫(雨が排水しきれずに起きる浸水)のおそれがないかを確かめます。
- 出かける予定を見直します。雨の予報が強いときは、車で出ない、早めに帰るなどを考えます。
気象庁は、レベル3やレベル4の情報が出たら、キキクル(危険度を色で示す地図)や川の水位の情報を確かめて、早めに避難するよう呼びかけています。防災気象情報は、多くの場合、市町村の避難指示より先に出ます。避難指示が出ていなくても、自分で判断することが求められています。
| 情報 | キキクルの色 | とる行動 |
|---|---|---|
| レベル3大雨警報 | 赤(警戒) | 高齢者などは危険な場所から避難。他の人も普段の行動を見合わせ始め、避難の準備をする |
| レベル4大雨危険警報 | 紫(危険) | 危険な場所から全員が避難する段階 |
| レベル5大雨特別警報 | 黒(災害切迫) | 直ちに身の安全を確保する |
12確かめる先・相談先
- 避難情報:住んでいる市町村のホームページ、防災行政無線、緊急速報メール。
- 危険度:気象庁の「キキクル」。
- 浸水のおそれ:市町村のハザードマップ、国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」。
- チラシの原本:内閣府「防災情報のページ」の千葉豪雨の情報の広報啓発の欄、気象庁の8月26日の報道発表。
- 命の危険が迫っているとき:119番や110番へ連絡します。
よくある質問
車はどのくらいの水で走れなくなりますか?
国のチラシは、わずか30cm程度の浸水でも走行不能になる場合があるとしています。
脱出用ハンマーはどの窓にも使えますか?
使えません。フロントガラスと一部のドアガラスは合わせガラスで、割ることができません。どの窓が該当するかはメーカーに確かめてください。
水につかった車のエンジンをかけてもいいですか?
自分でかけないでください。外から問題がなさそうでも、感電や車両火災のおそれがあります。販売店か整備工場に相談します。
大雨のときに車で避難してもいいですか?
チラシは、浸水が心配なときは車での移動を控え、徒歩または早めの避難を呼びかけています。やむを得ず車を使う場合は冠水した道路を避けます。地域の案内も確かめてください。
レベル5が出るまで待ってから逃げてもいいですか?
待たないでください。チラシは警戒レベル4避難指示までの避難を呼びかけています。
用意するなら
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次にやること
出典(11件)
- 気象庁「『レベル5大雨特別警報が発表されたときにとるべき行動』及び『車運転の注意点』について」
- 内閣府ほか「レベル5大雨特別警報が発表されたときにとるべき行動」チラシ
- 内閣府ほか「レベル5大雨特別警報が発表されたときの車運転の注意点」チラシ
- 国土交通省「自動車が冠水した道路を走行する場合に発生する不具合について」
- 国土交通省「浸水・冠水被害を受けた車両のユーザーの方へ」
- 国土交通省関東地方整備局「道路冠水時の無理な通行はおやめください」(令和8年6月10日)
- 内閣府「令和8年8月千葉豪雨等への対応」
- 内閣府「令和8年8月千葉豪雨による被害状況等について(令和8年9月9日12:00現在)」
- 気象庁「防災気象情報と警戒レベルとの対応について」
- 気象庁「新たな防災気象情報について(令和8年~)」
- 気象庁「新たな防災気象情報 よくある質問」
公的機関などの資料をもとに編集部がまとめました。専門家の監修は受けていません。

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