SUMMARY
要点をまとめると
01台風が低気圧に変わっても、強い風や雨の危険が残ることがあります。
02気象庁は2026年8月20日から、「台風情報」ページで全般気象解説情報へのリンクを出し、引き続き警戒が必要なことを伝えるようにしました。
03低気圧に変わったという言葉だけで判断せず、警報やキキクルを見ます(2026年11月1日時点)。
TO DO
今すぐやること
- 1「台風情報」と「あなたの街の防災情報」のページをスマホに登録する
- 2低気圧に変わったと聞いたら、全般気象解説情報のリンクが出ていないか見る
- 3警報とキキクルで、自分の地域の危険度を見る
- 4避難情報が解除されるまで、避難先から戻るのを急がない
そもそも温帯低気圧とは?
寒気と暖気の境である前線を伴う低気圧です。台風が北へ進むと、これに変わることがあります。
たとえるなら名前が変わっても、大きな荷物を積んだまま走っている車のようなものです。
- 1台風が北上する海からの水蒸気の供給が減っていきます。
- 2寒気の影響が加わる前線を伴う温帯低気圧に変わります。
- 3範囲が広がる強い風の範囲が広がり、離れた所で災害が起きることもあります。
気象庁「台風の一生」の説明をやさしくしました
この記事をスライドで理解する(6枚)
1 / 6台風が低気圧に変わっても安心できない理由 気象庁の表示の変更
低気圧に変わったら、弱くなったということですか?
そうとは限りません。温帯低気圧では強い風の範囲が広がり、再び発達することもあります。
そなえ気象庁の「台風情報」ページは何が変わった?
台風が低気圧に変わるとは、どういうこと?
低気圧に変わったと聞いたら、何を確認する?
まず、これだけ。
- 1「台風情報」と「あなたの街の防災情報」のページをスマホに登録する
- 2低気圧に変わったと聞いたら、全般気象解説情報のリンクが出ていないか見る
- 3警報とキキクルで、自分の地域の危険度を見る
- 4避難情報が解除されるまで、避難先から戻るのを急がない
台風のニュースで「低気圧に変わりました」と聞くと、ほっとする方が多いと思います。でも、その言葉は「危険がなくなった」という意味ではありません。片付けに外へ出たり、避難先から家へ戻ったりする前に、知っておきたいことがあります。
この記事は、気象庁の公式ページと資料を2026年11月1日時点で確かめてまとめました。画面の表示は今後の改善で変わることがあります。実際の判断は、気象庁の呼びかけと市町村の案内を優先してください。
01この記事でわかること(3行まとめ)
- 言葉の意味:「低気圧に変わった」は台風の性質や強さが変わったという意味で、危険がなくなったという意味ではありません。
- 変わったこと:8月20日から、警戒が必要なときは「台風情報」ページに全般気象解説情報へのリンクが出ます。
- 見るもの:低気圧に変わったあとも、警報、キキクル、市町村の避難情報で判断します。
02気象庁の「台風情報」ページは何が変わった?
気象庁は2026年8月19日に、「台風情報」ページの改善を知らせました。これまでは、台風が低気圧に変わると、変わった時刻の実況だけが表示されました。引き続き警戒が必要な場合でも、そのことが伝わらない状況だったと、気象庁は説明しています。
8月20日からは、全般気象解説情報で警戒を呼びかけている場合、「全般気象解説情報」ページへのリンクが貼られます。資料の画面のイメージでは、「台風第○号から変わった低気圧に関する全般気象解説情報発表中!」という形で示されています。
全般気象解説情報とは、全国を対象に、今の気象の状況と今後の見通しを解説する情報です。気象解説情報は全国だけでなく、地方や府県の単位でも出ます。全国向けの情報で大きな流れをつかみ、自分の地域の状況は、地元の気象台の情報で確かめます。資料のイメージでは「台風第○号から変わった低気圧の影響で、大雨に警戒が必要」といった内容が書かれています。
03「あなたの街の防災情報」ページも変わった?
もう1つの変更は、「あなたの街の防災情報」ページです。このページでは、台風の情報を他のさまざまな情報と一覧で見ることができます。表示する項目は、自分で選べます。
今回、選べる項目に、波浪や潮位などの海の情報が加わりました。資料のイメージには、次の項目が挙げられています。
- 海上警報・予報(海の上の警報と予報)
- 海上分布予報
- 潮位観測情報
海の近くに住む人や、釣りや船で海に出る人は、これらを表示に加えておくと、一度に見ることができます。今回の改善は、これまで寄せられた意見にもとづくもので、令和7年8月に公表された「台風情報の高度化に関する検討会」の報告書でも示されていたものです。
04台風が低気圧に変わるとは、どういうこと?
低気圧に変わったら、弱くなったということですか?
そうとは限りません。温帯低気圧では強い風の範囲が広がり、再び発達することもあります。
そなえ気象庁の説明では、台風は「熱帯低気圧」のうち、最大風速がおよそ17m/s以上のものです。この台風が別のものに変わるとき、2つのパターンがあります。
| 変わる先 | どう変わるか | 注意点 |
|---|---|---|
| 温帯低気圧 | 北から寒気の影響が加わり、寒気と暖気の境である前線を伴うようになる | 中心付近の風のピークは過ぎていることが多いが、強い風の範囲は広がる。再び発達することもある |
| 熱帯低気圧 | そのまま衰えて、最大風速が17m/s未満になる | 最大風速が17m/s未満になっただけで、強い雨が降ることがある |
つまり「低気圧に変わった」というのは、風の強さや空気の性質による分類の話です。雨の量や、自分の地域の危険度を示す言葉ではありません。
05低気圧に変わっても安心できないのはなぜ?
もう避難先から帰っていいですか?
言葉だけで判断せず、市町村の避難情報が解除されたかを見てください。
そなえ気象庁は、温帯低気圧に変わる場合について、次のような説明をしています。
- 離れた所で災害が起きることがあります。強い風の範囲が広がるため、低気圧の中心から離れた場所で大きな災害が起こることがあります。
- 再び強まることがあります。寒気の影響を受けて再び発達し、風が強くなって災害を起こすこともあります。
- 強い雨が続くことがあります。熱帯低気圧に変わった場合も、強い雨が降ることがあります。
気象庁は、温帯低気圧、熱帯低気圧のいずれの場合も、消滅するまで油断はできないとしています。
06「大型で強い」とはどのくらい?
台風第25号の説明にあった「大型で強い」という言葉は、気象庁が決めた基準で使われます。強い風の広さを「大きさ」、最大風速を「強さ」で表します。
- 大きさ:風速15m/s以上の半径が500km以上800km未満を「大型」、800km以上を「超大型」といいます。
- 強さ:最大風速が33m/s以上44m/s未満を「強い」、44m/s以上54m/s未満を「非常に強い」、54m/s以上を「猛烈な」といいます。
風速25m/s以上の風が吹いているか、吹く可能性がある範囲は「暴風域」と呼ばれます。「台風情報」ページでは、暴風域に入る確率も、5日先まで見ることができます。こうした大きさや強さの言葉は、雨の量を直接表すものではありません。台風第25号では、21日に東京都三宅島で38.0メートルの最大瞬間風速を観測し、19日から21日までの雨は、千葉県や静岡県で500ミリを超えた所がありました。雨の量は、別の情報で確かめます。
07台風が遠くにいても雨は降る?
低気圧に変わる前でも、台風から離れた場所で大雨になることがあります。2026年9月の台風第24号が、その例です。気象庁の事例の資料によると、前線が本州の南岸に停滞し、台風第24号の周りの暖かく湿った空気が流れ込んで、前線の活動が活発になりました。
- 9月5日:種子島・屋久島地方で線状降水帯が相次いで発生し、尾之間(屋久島町)で24時間に490.5ミリを観測しました。屋久島町にレベル5土砂災害特別警報が出ました。
- 9月7日:伊豆諸島北部で雷を伴った激しい雨が断続的に降り、大島で24時間に581.5ミリを観測しました。新島村、大島町、利島村にレベル5土砂災害特別警報が出ました。
どちらも、気象庁の資料は台風そのものではなく、前線の活動が活発になったことを主な理由として説明しています。「台風の進路から外れているから大丈夫」「台風の名前が消えたから大丈夫」と決めずに、自分の地域の情報で判断することが大切です。
082026年には、どんな例があった?
台風第25号は、9月21日に大型で強い勢力で伊豆諸島や関東甲信地方に近づき、22日21時に日本のはるか東で温帯低気圧に変わりました。この例では、低気圧に変わる前に関東で大きな被害が出ています。千葉県などでは、低気圧に変わったあとも停電や断水の復旧が続きました。
消防庁は9月29日にも、全国の都道府県と市区町村に「令和8年台風第25号及び台風第26号等に関する警戒情報」を出しています。10月5日8時時点でも、千葉県では約610戸の停電が続いていました。低気圧に変わったことと、暮らしが元に戻ることは別のことだと分かります。また、内閣府の資料は、台風のあとの雨の影響で、新たに道をあける作業が必要になった箇所があることも記しています。
| 日時 | 台風第25号の動き |
|---|---|
| 9月16日21時 | マリアナ諸島で発生 |
| 9月19日 | 小笠原諸島に接近 |
| 9月21日 | 大型で強い勢力で伊豆諸島や関東甲信地方に接近。21日12時40分に大島町にレベル5土砂災害特別警報 |
| 9月22日21時 | 日本のはるか東で温帯低気圧に変わる |
この台風と、そのあとの台風第26号、前線による被害を合わせて、10月5日9時時点で亡くなった方は17人、住家の被害は2,412棟と報告されています。
09低気圧に変わったと聞いたら、何を確認する?
リンクが出ていなければ安心ですか?
安心とは限りません。リンクは全般気象解説情報で呼びかけている場合に出ます。地域の危険度は警報とキキクルで見ます。
そなえ- 「台風情報」ページを見ます。全般気象解説情報へのリンクが出ていれば、引き続き警戒が必要です。
- 「あなたの街の防災情報」を見ます。自分の市町村に、警報などが出ていないかを見ます。
- キキクルを見ます。今いる場所の土砂災害、浸水、洪水の危険度を色で見ます。
- 市町村の避難情報を見ます。避難指示が解除されたかどうかを見ます。
- 外の様子を確かめるときは慎重に。川や用水路、崖には近づきません。
リンクが出ていないからといって、自分の地域が安全とは限りません。リンクは全般気象解説情報で警戒を呼びかけている場合に出るものです。地域ごとの危険度は、警報やキキクルで確かめます。
10「台風情報」と「あなたの街の防災情報」では何が見られる?
当日に慌てないよう、2つのページの役割を知っておきます。気象庁の説明から、主なものを挙げます。
| ページ | 見られるもの |
|---|---|
| 台風情報 | 台風の経路図(実況と5日先までの予報)、暴風域に入る確率、地域ごとの確率の時系列グラフなど |
| あなたの街の防災情報 | 気象警報・注意報、明日までの警報の見通し(時系列情報)、早期注意情報、キキクルなど。表示する項目を自分で選べる |
台風の進路は「台風情報」で、自分の町の危険度は「あなたの街の防災情報」で見る、と分けて考えると分かりやすくなります。低気圧に変わったあとも、警報やキキクルで自分の地域を確かめます。
11台風の情報は、これからどう変わる?
気象庁は「台風情報の高度化に関する検討会」の報告書をふまえ、2030年頃とその先に向けて、台風の情報をより良くする取り組みを続けるとしています。今回の変更は、その中の1つです。
新しい防災気象情報は2026年5月29日に始まったばかりで、情報の名前も変わりました。「気象解説情報」は、今の状況と今後の見込みを伝え、備えや行動の判断を後押しする情報です。普段から一度ページを開いて、どこに何があるかを見ておくと、当日に落ち着いて確かめられます。
12確かめる先・相談先
- 台風の情報:気象庁の「台風情報」ページ。進路と暴風域に入る確率を見ます。
- 地域の情報:気象庁の「あなたの街の防災情報」ページ。
- 避難情報:住んでいる市町村のホームページ、防災行政無線、緊急速報メール。避難先から戻るときも、ここで解除を確かめます。
- 停電や断水:電力会社や水道局、市町村の案内。
よくある質問
台風が低気圧に変わったら安全ですか?
安全とは限りません。気象庁は、温帯低気圧、熱帯低気圧のいずれの場合も、消滅するまで油断はできないとしています。
気象庁の「台風情報」ページは何が変わりましたか?
8月20日から、全般気象解説情報で警戒を呼びかけている場合に、そのページへのリンクが出るようになりました。
温帯低気圧と熱帯低気圧の違いは何ですか?
温帯低気圧は寒気と暖気の境である前線を伴います。熱帯低気圧は、台風が衰えて最大風速が17m/s未満になったものです。
海の情報はどこで見られますか?
「あなたの街の防災情報」ページで、波浪や潮位などの海の情報を表示の項目に選べるようになりました。
次にやること
出典(11件)
- 気象庁「『台風情報』ページにおいて、台風が低気圧に変わっても引き続き警戒が必要なことを伝えます」
- 気象庁「台風とは」
- 気象庁「台風の一生」
- 気象庁「台風の大きさと強さ」
- 気象庁「台風情報の種類と表現方法」
- 気象庁「防災気象情報に関する大切なお知らせ」リーフレット
- 内閣府「令和8年台風第25号による被害状況等について(令和8年10月5日9時現在)」
- 消防庁「令和8年台風第25号、第26号及び前線による大雨被害及び消防機関等の対応状況(第25報)」
- 気象庁「令和8年9月5日に鹿児島県にレベル5土砂災害特別警報を発表した事例」
- 気象庁「令和8年9月7日に東京都伊豆諸島北部にレベル5土砂災害特別警報を発表した事例」
- 気象庁「新たな防災気象情報について(令和8年~)」
公的機関などの資料をもとに編集部がまとめました。専門家の監修は受けていません。

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