SUMMARY
要点をまとめると
01遠くの地震でも、揺れがないまま津波注意報が出ることがあります。
026月8日はフィリピン付近の地震で12都県の沿岸に出され、16時50分にすべて解除されました。
03注意報が出たら海の中や海岸から離れ、解除まで近づかないようにします。
04市区町村の案内を優先してください(2026年11月1日時点)
TO DO
今すぐやること
- 1海の中にいたらすぐ上がり、海岸から離れる
- 2解除まで海に入らず海岸に近づかない
- 3テレビ、ラジオ、防災行政無線で情報を確かめる
- 4海の近くの家が堤防より海側か平時に調べる
そもそも遠地地震とは?
日本から遠く離れた場所で起きた地震です。揺れはなくても、津波が届くことがあります。
たとえるなら遠くの水面に石を投げると、時間がたってから手元に波が届くようなものです。
- 1遠くで大きな地震海で起きると津波が広がる
- 2情報が先に出る到達前に津波注意報などが発表される
- 3時間差で届く数時間後に最大波が来ることもある
気象庁の「津波から身を守るために」と内閣府のガイドラインをもとに、やさしく言い換えています。
この記事をスライドで理解する(6枚)
1 / 6遠地地震でも津波注意報は出る?揺れがなくても海から離れる理由
揺れていないのに、本当に津波が来るの?
遠くで起きた地震では、揺れはなくても津波だけが届くことがあります。6月8日も、国内で津波が観測されました。
そなえこの記事でわかること(3行まとめ)
6月8日に何があったのか
津波注意報の避難指示はどこが対象になるのか
まず、これだけ。
- 1海の中にいたらすぐ上がり、海岸から離れる
- 2解除まで海に入らず海岸に近づかない
- 3テレビ、ラジオ、防災行政無線で情報を確かめる
- 4海の近くの家が堤防より海側か平時に調べる
日本で揺れを感じていないのに、津波注意報が出ることがあります。2026年6月8日の朝がそうでした。遠いフィリピン付近で起きた地震のために、茨城県から沖縄県までの太平洋側に津波注意報が出ました。「揺れていないのに本当に来るの」「海から離れれば十分なの」と迷った人もいると思います。
この記事では、気象庁、消防庁、内閣府の公式資料を2026年11月1日時点で確かめた内容をもとに、6月8日に何があったかを整理します。そのうえで、津波注意報が出たときの動き方をまとめます。
01この記事でわかること(3行まとめ)
- 6月8日、フィリピン付近の地震により、9時05分に12都県の沿岸へ津波注意報が出て、16時50分にすべて解除されました。
- 国内で観測された津波は、主な観測点で0.2m以下でした。消防庁の第7報(6月10日14時時点)では、国内の被害報告はありません。
- 津波注意報のときは、まず海の中や海岸から離れます。避難指示の対象は、基本的に海岸の堤防より海側とされています。
026月8日に何があったのか
揺れていないのに、本当に津波が来るの?
遠くで起きた地震では、揺れはなくても津波だけが届くことがあります。6月8日も、国内で津波が観測されました。
そなえ地震は日本時間の6月8日朝に、フィリピン諸島のミンダナオで起きました。気象庁の当日の発表では、発生時刻は8時38分頃、マグニチュードは8.2(速報値)です。この震源は太平洋津波警報センターによるものです。
翌月の気象庁のまとめでは、発生時刻は8時37分、深さ55km、モーメントマグニチュード7.7とされています。モーメントマグニチュードとは、地震を起こした断層のずれの規模を詳しく調べて求める値です。当日の速報値と数字が違うのはこのためで、記事や資料を見るときは「いつの、どの値か」を確かめましょう。
| 時刻(6月8日) | できごと |
|---|---|
| 8時38分頃 | フィリピン付近で地震(当日の発表) |
| 9時05分 | 津波注意報を発表 |
| 9時06分 | 遠地地震に関する情報を発表 |
| 13時46分 | 父島二見で0.2mを観測(最大波の時刻) |
| 16時50分 | 津波注意報をすべて解除 |
遠地地震とは、日本から遠く離れた場所で起きた地震のことです。今回のように、揺れはなくても津波だけが届くことがあります。注意報は約7時間45分続きました。気象庁も、津波が広い範囲の沿岸に届き、半日や1日以上続くこともあると説明しています。
03津波注意報が出たのはどこか
消防庁の資料では、対象は茨城県、千葉県、東京都、神奈川県、静岡県、愛知県、三重県、和歌山県、高知県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県の12都県です。気象庁の区分では、次の18の津波予報区に出ました。津波予報区とは、津波の情報を出すときの沿岸の区切りです。
| 地域 | 津波予報区 |
|---|---|
| 関東 | 茨城県、千葉県九十九里・外房、千葉県内房、相模湾・三浦半島 |
| 東京都の島しょ | 伊豆諸島、小笠原諸島 |
| 東海 | 静岡県、愛知県外海、三重県南部 |
| 近畿・四国 | 和歌山県、高知県 |
| 九州 | 宮崎県、鹿児島県東部、種子島・屋久島地方 |
| 奄美・沖縄 | 奄美群島・トカラ列島、沖縄本島地方、大東島地方、宮古島・八重山地方 |
同じ県でも、沿岸によって区切りが違います。自分の行く海がどの予報区かは、一度気象庁の「津波予報区」で見ておくと、情報を聞いたときに迷いません。
04観測された津波の高さはどのくらいか
0.2mなら足首くらいだから平気ですよね?
気象庁は、高さ20〜30cm程度の津波でも速い流れに巻き込まれるおそれがあると説明しています。海の中や海岸から離れましょう。
そなえ6月8日15時57分の気象庁の発表では、主な観測点の値は次のとおりです。
| 観測点 | 予報区 | 最大波の時刻 | 高さ |
|---|---|---|---|
| 父島二見 | 小笠原諸島 | 13時46分 | 0.2m |
| 串本町袋港 | 和歌山県 | 14時12分 | 0.2m |
| 宮崎港 | 宮崎県 | 15時50分 | 0.2m |
| 種子島熊野 | 種子島・屋久島地方 | 15時49分 | 0.2m |
| 熊野市遊木 | 三重県南部 | 15時32分 | 0.1m |
| 日南市油津 | 宮崎県 | 15時17分 | 0.1m |
| 南大隅町大泊 | 鹿児島県東部 | 15時45分 | 0.1m |
翌月のまとめでは、父島二見の値を17cmとしています。当日の0.2mは、当日の発表の表記です。
この表で見てほしいのは時刻です。地震から5時間以上たって最大波が記録された場所があります。最大波が地震から7時間ほどあとの場所もあります。朝に揺れを感じなかったからといって、昼に海へ出てよいわけではありません。
また、「0.2m」という数字を小さいと感じるかもしれません。ですが、気象庁は高さ20〜30cm程度の津波でも速い流れに巻き込まれるおそれがあると説明しています。これは波打ち際で見る波とは違います。海の中で流れに巻き込まれると、高さが低くても危険です。海岸の地形によって局所的に高くなることもあります。
資料には、観測ができなくなった観測点もあります。三浦市三崎漁港と沼津市内浦は、この時点で欠測となっていました。観測値がない場所は、津波がなかったという意味ではありません。
05遠くの地震の津波はなぜ時間差で届くのか
津波は、海底が持ち上がったり沈んだりして海水が動くことで起き、四方八方に広がります。岸に近づいて水深が浅くなると、急に高くなります。遠くで起きた場合は、届くまでに時間があります。これが「揺れはないのに、昼すぎに最大波が来た」という形で現れます。
気象庁は津波の特徴を次のように説明しています。
- 周囲の地形で反射や屈折をして繰り返し押し寄せ、後から来る波のほうが高くなることがあります。
- 潮が引いてから来るとは限りません。「潮が引いたら逃げればよい」というのは誤りです。
- 潮の変化が始まってから最大波が観測されるまで、数時間以上かかることもあります。
こうした津波では、津波警報などが出る前に、気象庁が「遠地地震に関する情報」で到達予想時刻などを出すことがあります。市町村はその内容によって、警報などの発表前でも高齢者等避難を検討することになっています。遠くの地震のニュースを見たら、海の予定がある人は続報を確かめましょう。
06被害はあったのか
消防庁の第7報(6月10日14時時点)では、国内の被害は「被害報告なし」です。この資料は速報で、数字は今後も変わることがあるとされています。
一方、震源に近いフィリピンでは大きな被害が出ました。気象庁が国連機関の情報をもとにまとめた資料によると、2026年7月1日現在で死者81人、負傷者1300人以上などとされています。ミンダナオ島のキアンバでは1.48mの津波が観測されました。亡くなった方に心から哀悼の意を表します。
07避難指示はどのくらいの人に出たのか
消防庁の第3報(6月8日10時30分時点)によると、茨城県から沖縄県までの10県で避難指示が出ていました。合計は38市22町4村で、対象は102,602世帯、195,243人です。これはその時点の途中経過で、世帯数や人数が入っていない県もあります。
第7報では、出ていた避難指示はすべて解除されたとされています。
この6月の津波のあと、内閣府と消防庁は7月21日に都道府県へ通知を出しました。「最近の津波警報等の発表時には、自治体毎に様々な対応が見られた」として、ガイドラインの考え方を改めて示したものです。自治体を責める内容ではなく、住民が混乱しないようにするための助言です。次の節で中身を見ます。
08津波注意報の避難指示はどこが対象になるのか
津波注意報が出たら、家からも避難するの?
基本は海岸の堤防より海側が対象です。堤防がなく低い土地などは違うので、市区町村の案内を確かめてください。
そなえ通知によると、津波の情報の種類によって、避難指示の対象の考え方が違います。
| 発表される情報 | 避難指示の対象の考え方 |
|---|---|
| 大津波警報 | 最大クラスの津波で浸水が想定される地域 |
| 津波警報 | 海岸の堤防がない、または低いため、高さ3mの津波で浸水が想定される地域 |
| 津波注意報 | 漁業や港で働く人、海水浴客などを念頭に、海岸の堤防より海側の地域 |
津波注意報では、高いところで1mの津波が予想されます。そのため、基本は海岸の堤防より海側が対象です。ただし、局所的に高くなる場合も考えられます。海岸の堤防がなく地盤が低い場所では、立ち退き避難の対象にする必要があるとされています。
対象をしぼるのには理由があります。安全な地域の人まで動くと、避難場所の混雑や交通渋滞が起きるおそれがあります。高齢の人が避難する必要がないのに動くと、体に負担がかかることもあります。
住んでいる場所で堤防より海側かどうかが分からないときは、市区町村の案内に従ってください。海の近くの低い土地に住む人は、平時のうちに確かめておくと動きやすくなります。
09解除のあとも海に入らないほうがいいのか
津波注意報の段階で想定されるのは、海の中で人が速い流れに巻き込まれること、養殖いかだの流失や小型船舶の転覆などです。陸の上にいる人より、海で過ごす人や働く人に直接関わる情報といえます。
注意報が解除されても、すぐに元どおりではありません。気象庁は16時50分の解除のあと、津波注意報が出ていた沿岸では津波にともなう海面変動が観測されており、今後1日程度は続く可能性が高いと発表しました。海に入っての作業や釣りなどでは十分な注意が必要です。
避難指示の解除は、市区町村が判断します。ガイドラインでは、津波注意報などが解除された段階で解除することが基本とされています。被害が確認されない場合などは、速やかに解除するよう求めています。交通機関の再開などに影響するからです。
10津波注意報が出たら、やることは何か
- 海の中にいる人は、ただちに海から上がり、海岸から離れます。
- 海水浴、磯釣り、海に入る作業を中止します。
- 注意報が解除されるまで、海に入ったり海岸に近づいたりしません。
- テレビ、ラジオ、防災行政無線、気象庁のホームページで情報を確かめます。
- 海水浴場では津波フラッグにも気をつけます。赤と白の格子模様の旗で、津波警報などが出たことを知らせます。見かけたら海から離れます。
- 市区町村から避難指示が出たら従います。
日本の近くで起きた地震の場合は、動き方がさらに急を要します。海の近くで強い揺れや長い揺れを感じたら、津波警報や避難指示を待たずに、すぐ高い場所へ移ります。内閣府の通知も、これが最も重要だと書いています。
11確かめる先・相談先
津波の発表状況と観測値は、気象庁のホームページで確かめられます。全国の被害の数字は、消防庁の「災害情報一覧」にあります。
避難指示の対象や避難場所は、お住まいの市区町村、旅行先なら滞在先の市区町村の案内を確かめてください。避難の判断は、公的機関の呼びかけと市区町村の案内を優先しましょう。
よくある質問
揺れがなくても津波注意報は出ますか?
出ることがあります。6月8日はフィリピン付近の地震で、茨城県から沖縄県までの太平洋沿岸などに津波注意報が出ました。
津波注意報はどのくらいの高さで出ますか?
気象庁によると、予想される最大波が高いところで0.2m以上、1m以下で、津波による災害のおそれがある場合に出ます。
津波注意報が解除されたらすぐ海に入れますか?
すぐに元どおりではありません。6月8日の解除のあとも、気象庁は海面変動が1日程度続く可能性が高いとして、海に入る作業や釣りに注意を呼びかけました。
津波注意報で避難指示が出るのはどこですか?
通知では、基本的に海岸の堤防より海側の地域が対象です。堤防がなく地盤が低い場所は立ち退き避難の対象にする必要があるとされています。市区町村の案内を確かめてください。
地震の規模がM8.2とMw7.7で違うのはなぜですか?
M8.2は当日の速報値で、太平洋津波警報センターの震源によるものです。Mw7.7は翌月の気象庁のまとめに載ったモーメントマグニチュードです。
次にやること
出典(10件)
- 気象庁「令和8年6月8日08時38分頃のフィリピン付近の地震について」
- 気象庁「フィリピン付近の地震について(第3報)」
- 消防庁「フィリピン付近の地震に伴う津波による被害及び消防機関等の対応状況(第7報)」
- 消防庁「フィリピン付近の地震に伴う津波による被害及び消防機関等の対応状況(第3報)」
- 気象庁「令和8年6月の地震活動及び火山活動について」
- 気象庁「世界の主な地震活動(令和8年6月)」
- 内閣府・消防庁「津波に係る適切な避難情報の発令について」(令和8年7月21日)
- 気象庁「津波から身を守るために」
- 気象庁「津波フラッグ」
- 気象庁「津波警報・注意報、津波情報、津波予報について」
公的機関などの資料をもとに編集部がまとめました。専門家の監修は受けていません。

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